太平寺 (大阪市)

太平寺

太平寺は、大阪市天王寺区にある曹洞宗の寺院です。山号は護國山、本尊は虚空蔵菩薩で、特に十三参りの寺として地域の人々に親しまれています。

歴史

太平寺は、元々四天王寺の寺域にあった一堂宇でした。弘治元年（1555年）頃には真言宗の隆翔寺として存在していましたが、その後荒廃しました。寛文3年（1663年）、加賀国大乗寺21世の超山誾越大和尚がこの寺を復興し、曹洞宗に改めて護國山太平寺と改名しました。天明5年（1785年）には、商人の森井宗兵衛が堂宇を寄進しています。

太平洋戦争中の1945年（昭和20年）3月13日・14日の第1回大阪大空襲により、太平寺の伽藍は焼失してしまいましたが、戦後に復興されました。1982年（昭和57年）には、戦災で焼失した釈迦三尊像が復興されています。

境内

太平寺の境内には、以下のような施設があります。

本堂：寺の中心となる建物です。
開山堂：寺を開いた僧侶を祀るお堂です。
北山不動明王：『摂津名所図会』に「風吹不動石像　医師北山寿庵が墳なり」と記されています。「医は仁術」を実践した名医・北山寿安が萬民救済を願って建立したと伝えられています。
庫裏：寺の台所や住職の住居などがある建物です。
祇空翁文塚：祇空翁を祀る塚です。
鳥居：廃藩置県の際に加賀藩蔵屋敷内にあった前田家の先祖である菅原道真を祀る天神宮と共に移設されました。大阪大空襲で石の鳥居だけが残りました。
稲荷社：稲荷神を祀る社です。
山門：寺の入り口にある門です。

文化財

太平寺には、以下の文化財があります。

大阪市指定有形民俗文化財
北山不動（石造不動明王及二童子立像）
大阪市指定無形民俗文化財
北山不動の信仰習俗（北山不動講）

札所

太平寺は、以下の霊場の札所となっています。

おおさか十三仏霊場：12番の青蓮寺と13番の太平寺の間
大阪四不動霊場：南方の札所

交通アクセス

地下鉄谷町線 四天王寺前夕陽ヶ丘駅下車、1・2出口すぐ前

参考文献

三善貞司『大阪史蹟辞典』（1986年）全国書誌番号:86050775

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