太平記 (インテック)

『太平記』の概要

『太平記』は、1991年にリリースされたPCエンジンCD-ROM²用の戦略シミュレーションゲームです。この作品は南北朝時代をテーマにしており、展開は歴史上の人物、特に新田義貞と足利尊氏を中心にしています。ゲームは吉川英治の小説『私本太平記』を基にしており、作品内にはオリジナルキャラクターも多数登場します。

ゲームの舞台は1335年10月の日本、プレイヤーは南朝の新田義貞か北朝の足利尊氏のいずれかを選択し、全国的な統一を目指します。独特な点は、ゲームには領国経営の内政要素が存在せず、プレイヤーはそれぞれの国主の直轄地に指示を出し、戦争や外交を通じて国を広げていくことが求められます。

ゲームプレイの特徴

プレイヤーは、各国の武将たちと連携し、戦略を練り戦争を行います。戦争の勝利条件としては、敵部隊を全滅または退却させる、敵の総大将を捕らえる、または防御の側として20日間持ちこたえることが挙げられます。このような戦略的要素が、ゲームに深みを持たせています。

能力値には「天朝度」や「婆沙羅」、「戦闘力」、「忠誠心」などがあり、これらのパラメーターを駆使して戦争を有利に運ぶことが求められます。また、武将は交渉によって取り込むことができ、戦死の概念がないため、戦略の幅が広がります。特に印象的なのは、随所に声優を起用したアニメーションシーンがあり、プレイヤーを引き込む要素の一つとなっています。

コマンドとイベント

ゲーム内にはさまざまなコマンドが用意されており、外交、情報収集、徴兵、軍事行動など多岐にわたります。特に外交はゲームのメインコマンドであり、名刀や金銭を用いて他勢力を自軍に靡かせることが可能です。また、ランダムなイベントも用意されていて、時には敵陣営から届く挑戦状や、忠誠心の低い家臣が逃げ出す逐電現象などもあります。

登場人物とスタッフ

主要な登場人物には足利尊氏や新田義貞、後醍醐天皇らが存在し、それぞれ声優に特徴があります。特にアニメーションとの連携は、プレイヤーの没入感を高めています。スタッフ面では、原作に吉川英治を持ち、キャラクターデザインには著名な漫画家横山まさみちが参加しています。また、評価も高く、ゲーム誌での評判はこちらの作品を確認する価値があります。

評価

『太平記』は、ゲーム誌において良好な評価を得ており、特にオープニングの迫力が高く評価されています。多様なプレイスタイルが可能であり、リプレイ価値も高いと言えるでしょう。南北朝時代という魅力的なテーマと、戦略シミュレーション要素の組み合わせにより、歴史ファンやゲームファンから人気を集めています。

このゲームは、歴史的な背景を楽しみながらも、戦略的思考を育成することができる魅力的な作品です。

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