太王四神記 (宝塚歌劇)

宝塚歌劇『太王四神記』：壮大な歴史ロマンと愛の物語

宝塚歌劇団によって舞台化されたミュージカル『太王四神記』は、韓国の同名テレビドラマを原作とする大作です。脚本・演出は、宝塚歌劇において数々のヒット作を生み出してきた小池修一郎氏が担当し、「幻想歌舞劇」という冠を冠して上演されました。

二つのバージョン：花組と星組

『太王四神記』は、2009年に花組、同年夏に星組と、異なるバージョンで上演されました。

花組版は、原作ドラマを基に、高句麗を舞台にした壮大な歴史物語と、主人公タムドクとキハを中心とした切ない愛の物語が描かれました。神話的な要素も取り入れられ、幻想的な世界観が表現されています。全2幕36場という大規模な舞台で、華麗な衣装や迫力ある演出が観客を圧倒しました。

一方、星組版は「太王四神記 Ver.II」として上演され、花組版から神話の部分をカットするなど、内容が一部変更されています。星組トップコンビ、柚希礼音さんと夢咲ねねさんの大劇場お披露目公演としても注目を集めました。全2幕38場と、花組版よりもさらにスケールアップし、「－新たなる王の旅立ち－」という副題が付けられています。

主要登場人物

物語の中心となるのは、以下の主要登場人物たちです。

タムドク: 高句麗の王子で、物語の主人公。チュシンの星の導きによって、高句麗の王となる運命を背負っています。
キハ: 天地神堂の巫女。幼い頃に火天会に捕らわれ、プルキルの操り人形として育てられました。タムドクと運命的な出会いを果たします。
ヨン・ホゲ: 高句麗の貴族の息子で、タムドクのいとこ。タムドクと同様にチュシンの星の輝く夜に生まれた人物で、王位を巡ってタムドクと対立します。
大長老プルキル: 虎族の魔術師で、火天会の長老。世界征服を企み、様々な策略を巡らせます。
スジニ: キハの生き別れの妹。コムル村で、男性として育てられました。
ヤン王: タムドクの父、高句麗の王。
* その他: ヨン・ガリョ、ヒョンゴ、パソン、コ将軍、サリャン、チュムチ、チョロ、カクダン、タルビなど、個性豊かな登場人物たちが物語を彩ります。

ストーリー

西暦375年、高句麗。チュシンの星が輝く夜に、タムドクとヨン・ホゲという二人の王子が誕生します。運命に導かれるように、二人は王位を巡り、そして愛を巡り、激動の時代を生き抜いていきます。

タムドクは、父であるヤン王の計略によって、身分を隠して育ちます。一方、ホゲは王位継承者として育てられ、二人の間には深い溝が生まれます。

キハは、プルキルの陰謀に巻き込まれながらも、タムドクと心を通わせていきます。スジニは、タムドクと友情を育み、やがて特別な感情を抱くようになります。

プルキルは、ヨン・ガリョと手を組み、四神神器を集めて世界征服を目論みます。タムドクは、王としての自覚を深め、宿命に立ち向かっていきます。

愛と裏切り、陰謀と策略が渦巻く中、タムドクとホゲは、四神神器を巡って争います。果たして、チュシンの王となるのは誰か？そして、タムドクとキハの愛の行方は？

音楽とスタッフ

『太王四神記』の音楽は太田健氏による作曲・編曲で、青木朝子氏も編曲に参加しました。豪華な舞台装置、衣装、照明、そして個性豊かなキャスト陣が、この壮大な物語をより一層魅力的に演出しました。

まとめ

『太王四神記』は、歴史ロマンと愛の物語が織りなす、見応えのあるミュージカルです。宝塚歌劇団の華麗な舞台演出と、実力派キャストの熱演が、観客を感動の世界へと誘います。花組版と星組版、それぞれ異なる魅力を持つ作品として、高い人気を誇っています。2010年には映画化もされ、幅広い層にその名を知らしめました。

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