太王四神記

太王四神記の概要

『太王四神記』（たいおうしじんき）は、2007年9月11日から12月5日まで韓国MBCで放送されたテレビドラマであり、時代劇のジャンルに属します。この作品は、宿命に導かれた主人公タムドク（演: ペ・ヨンジュン）が数々の苦難を乗り越え、後の高句麗の偉大な王、広開土王に成長していく過程をファンタジーと共に描いています。

このドラマは映画並みの予算と先進的なコンピュータグラフィックスを駆使し、そのファンタジー要素を強調しています。特に、同じMBCが制作した『朱蒙 - チュモン -』と比較してもその傾向がより顕著です。監督は人気ドラマ『砂時計』を手掛けたキム・ジョンハク氏で、音楽は日本の作曲家である久石譲氏が担当しました。

制作背景とトラブル

『太王四神記』の放送は、当初は2007年の5月から始まる予定でしたが、様々な制作上の問題で延長されました。また、済州島でのロケ期間中には頻繁に事故が発生し、監督や主演俳優が負傷するなどのトラブルにも見舞われました。

一方で、このドラマは韓国国内でのアニメーションやゲームにおける美術スタイルに影響を受けたデザインが多分に見られ、ファンタジーの中に歴史を織り込むことで特異な視覚的体験を生み出しています。

視聴率と評価

韓国国内では、全24話で平均27.0%という高視聴率を記録し、最高視聴率は35.7%に達しました。特に50代以上の男性視聴者からの支持を得ており、『宮廷女官チャングムの誓い』以降、時代劇が若い層に広まるきっかけともなりました。

海外での放送と影響

中国や台湾など海外でも放送されて好評を得ている一方で、高句麗を題材とした内容が中韓間の歴史認識問題に関連し、中国では放送禁止となるという事態も引き起こしました。このドラマは、歴史的事実に基づく創作であるため、視聴者に対して多くの議論をもたらしました。特に高句麗史を「韓国史」として扱うことが、中国からの反発を受ける要因となっています。

あらすじ

物語は遥か昔、火の力を持つ獣族に支配された世界を背景に始まります。神の子桓雄は人々の平和を願い、国チュシンを創立しますが、獣族が彼らを襲います。桓雄はその争いを終わらせるため、火の力を熊族の女セオに与え、両者は恋に落ちます。しかし、争いが絶えず、桓雄はセオを討つことを決断し、怒りの象徴である朱雀を封印します。その神話を背景に、374年後、タムドクが王として目覚める準備が整っていく様が描かれます。

主要キャラクター

• - タムドク（演: ペ・ヨンジュン）: 主人公であり、神の子桓雄の再生とされる人物。
• - キハ（演: ムン・ソリ）: 火の力を持つ獣族の女性で、タムドクに愛される存在。
• - ホゲ（演: ユン・テヨン）: タムドクの従兄弟で、王位を狙うライバル。
• - 火天会の大長老: 獣族の末裔であり、劇中の敵キャラクター。

まとめ

『太王四神記』は、視覚的な美しさと複雑な人間関係、歴史的なバックボーンを融合させた作品であり、視聴者の心に深く残るドラマです。ファンタジー時代劇として新しい地平を開いた本作は、韓国ドラマの歴史において特筆すべき一作と言えるでしょう。

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