太田宿 (中山道)

太田宿（おおたじゅく）

太田宿は、中山道51番目の宿場町で、美濃国加茂郡太田村（現在の岐阜県美濃加茂市）に位置していました。中山道六十九次のひとつとして、重要な役割を果たしていました。

概要

江戸時代、太田宿は尾張藩の領地（1843年時点）に属していました。当時の宿場の規模は以下の通りです。

人口: 505人
家数: 108軒
本陣: 1軒
脇本陣: 1軒
旅籠: 20軒

現在、太田宿の最寄り駅は、JR高山本線・太多線の美濃太田駅と、長良川鉄道越美南線の美濃太田駅です。

太田の渡し

太田の渡しは、中山道の難所のひとつとして知られていました。木曽川を船で渡る必要があり、旅人にとって大きな負担となっていました。1927年に太田橋が架けられるまでは、今渡の船着場との間に渡し船が運航されていました。

史跡・みどころ

太田宿には、歴史的な史跡や見どころがいくつか残っています。

太田の渡し場跡: かつて渡し船が運航されていた場所です。
脇本陣林家住宅（国の重要文化財）: 個人の住宅であるため、通常は非公開となっています。
本陣門: 太田宿の本陣の門が残されています。
太田宿中山道会館: 宿場の歴史や文化を紹介する施設です。
坪内逍遙ゆかりのムクノキ: 坪内逍遙が幼少期を過ごした場所にあり、彼にゆかりのあるムクノキが立っています。

鵜沼宿までの史跡・みどころ

太田宿から隣の鵜沼宿へ向かう道中にも、いくつかの史跡や見どころがあります。

日本ラインロマンチック街道: 日本ライン沿いの美しい景観を楽しめる道です。
行幸公園: 明治天皇が行幸された際に造られた公園です。
岩谷観音: 岩窟の中に安置された観音像です。
うとう峠: 峠道からの眺めが美しい場所です。
うとう坂の一里塚跡: 江戸時代に旅人の道標として設けられた一里塚の跡です。
日本ラインうぬまの森: 自然豊かな森林公園です。

ゆかりの人々

太田宿は、歴史上の人物とも縁があります。

福田太郎八: 太田宿本陣福田家の18代当主で、太田村の庄屋を務めた名望家です。
坪内逍遙: 尾張藩太田代官所の役人の子として太田宿で生まれ、幼年期を過ごしました。日本の近代文学に大きな影響を与えた人物です。
板垣退助: 1882年4月4日、自由民権運動の演説のため岐阜を訪れた際、脇本陣林家に宿泊しました。その翌日、岐阜で暴漢に襲われるという事件に遭遇しています。

隣の宿

中山道における太田宿の隣の宿場は以下の通りです。

伏見宿 - 太田宿 - 鵜沼宿

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