太田秀和

太田 秀和

1951年（昭和26年）9月9日生まれ、日本の実業家。

神奈川県に生まれ育ち、横浜国立大学教育学部附属横浜中学校、神奈川県立光陵高等学校を経て、慶應義塾大学経済学部を卒業した。

1975年（昭和50年）、当時西武グループの中核を担っていた国土計画株式会社に入社。以来、主に経理部門でキャリアを積んでいった。経理部財務課長、経理部次長、経理部長、財務部長といった役職を歴任し、グループの財務・経理分野における要職を務めた。

国土計画時代には、社業の傍ら野球関連の活動にも深く関わった。プリンスホテル硬式野球部ではチームを支えるマネージャーを務め、また日本野球連盟の関東地区連盟では事務局長として連盟運営に携わるなど、アマチュア野球界との接点も持っていた。

2006年（平成18年）1月、埼玉西武ライオンズの球団社長兼オーナー代行に就任。プロ野球界に活躍の場を移した。ライオンズの経営トップに就いてからの太田氏の姿勢で特筆されるのは、ファンを非常に大切にした点である。本拠地である西武ドームでの主催試合開催時には、退任するまでの間、ほぼ毎回と言ってよいほど開場時刻になると自ら一塁側の入場口に立ち、スタジアムを訪れるファン一人ひとりを丁寧に出迎える姿が見られた。このファンに寄り添う姿勢は、多くの野球ファンから親しまれ、球団とファンとの良好な関係構築に貢献した。

しかし、2007年（平成19年）5月、球団がアマチュア選手らに対して不適切な金銭を供与していた問題が発覚する。この問題の責任を明確にするため、太田氏は球団副社長へと役職を降格された。組織のトップとして難局に直面したが、この時の責任の取り方も含め、ファンからの信頼は依然として厚く、その関係性が揺らぐことはなかった。

降格後の2008年シーズン、ライオンズはパシフィック・リーグのレギュラーシーズンを制し、さらにクライマックスシリーズ、日本シリーズを勝ち抜き日本一に輝いた。その際に開催されたパブリックビューイング会場では、優勝の喜びに沸くファンたちから、太田氏が胴上げされる一幕もあり、ファンとの強い絆を示す出来事となった。また、2009年（平成21年）1月に球団副社長を退任する際にも、ファンへの挨拶の機会が設けられたり、グラウンドに姿を見せた際には、退任を惜しみこれまでの貢献に感謝する多くのファンから温かい声援が送られるなど、その人気と信頼の厚さがうかがわれた。

ライオンズ副社長退任後、太田氏は西武グループ内で再び要職を歴任した。2009年には株式会社プリンスホテルの監査役に転じ、企業統治の一角を担った。その後、2012年（平成24年）には西武プロパティーズ株式会社の専務取締役に就任し、グループの不動産事業を牽引した。

現在も、西武グループが神奈川県と埼玉県で5か所の幼稚園を運営する学校法人西武学園の理事長を務めるなど、教育分野にも貢献している。また、出身校である神奈川県立光陵高等学校の同窓会「光陵会」の会長も務めており、母校や地域社会との繋がりも大切にしている。

略歴

1975年 - 国土計画株式会社入社。
1997年 - 経理部財務課長。
2002年 - 経理部次長。
2004年 - 経理部長。
2005年6月 - 財務部長。
2006年1月 - 埼玉西武ライオンズ社長兼オーナー代行に就任。
2007年5月 - 不適切金銭供与問題の責任を取り、球団副社長に降格。
2009年1月 - 球団副社長を退任。
2009年 - 株式会社プリンスホテル監査役に就任。
2012年 - 西武プロパティーズ株式会社専務取締役に就任。

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