太田章

太田章（おおた あきら）

太田章は、日本のレスリング界において名を馳せたアスリートであり、優れた教育者でもあります。1957年4月8日、秋田県秋田市に生まれた彼は、フリースタイルレスリングの選手として、多くの栄光を手にしてきました。血液型はB型で、現在は早稲田大学スポーツ科学部の教授を務めています。

来歴の始まり

太田のスポーツキャリアは彼の中学校時代、柔道における成功から始まります。秋田南中学校で全国大会を制覇し、その後、秋田商業高校時代にはレスリングに転向します。彼の早稲田大学志望は、五木寛之の『青春の門』を読んだことがきっかけであり、当時の早稲田大学レスリング部は十分に強くはなかったものの、彼は自身の努力次第でチャンピオンになれると信じて入学しました。

五輪への挑戦

1980年、太田は在学中にモスクワオリンピックの代表に選ばれるも、ボイコットの影響で出場が叶いませんでした。この幻の出場を果たすために、彼は卒業論文を提出しなかったことで「オリンピック留年」という選択をしました。1981年には早稲田大学教育学部を卒業し、その後1983年に東海大学大学院体育研究科を修了します。

1984年、ロサンゼルスオリンピックでは90 kg級で銀メダルを獲得。これにより、日本のレスリング界では重量級として初のメダリストとなりました。さらに、1988年のソウルオリンピックでも再び銀メダルを獲得し、その試合においては満身創痍の状態ながらも見事な逆転勝利を収めました。

社会への貢献

太田はその後、秋田県民栄誉章や日本ユネスコ協会フェアプレー賞を受賞し、1993年には早稲田大学人間科学部の助教授に就任しました。96年にはアトランタオリンピックを目指し選考会に出場しましたが、出場には至りませんでした。1999年には世界レスリングマスターズ選手権に出場し、97 kg級で金メダルを獲得する成果を上げています。

2011年には早稲田大学スポーツ科学部の教授に就任し、2021年には東京オリンピックの聖火リレーのランナーとしても活躍しました。

エピソード

柔道で全国大会に出場した際に、同時期に活躍していた山下泰裕選手に触発されてレスリングに転向しました。また、レスリングの技術指導を行う一方で、プロレスラーであるケンドー・カシンの師匠としても知られています。プロレスには否定的な立場を貫きながら、実はプロレスのトレーニング方法を取り入れるなど、指導者としての柔軟性を見せています。

太田章は、レスリングだけでなく教育界でもその名を知られる存在であり、日本のスポーツ界への貢献を続けています。

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