太田頼基

太田頼基

太田頼基（おおだ よりもと）は、平安時代末期に活躍した武士です。大和源氏の流れを汲み、摂津国島下郡太田（現在の大阪府茨木市太田付近）に所領を持っていました。太田太郎と号し、太田城の築城者であるとも伝えられています。

出自

太田氏は、清和源氏の一流である大和源氏の流れを汲んでいます。大和源氏は、源満仲の次男・頼親を祖とし、大和国を地盤として発展しました。ただし、頼親自身は摂津国内にも多くの所領を有しており、その子孫である頼基も摂津に所領を持つこととなりました。

略歴

源平争乱期において、頼基は源頼朝と対立した源義経との間で重要な役割を果たしました。『玉葉』によると、頼基は義経一行が西国へ落ち延びる際、「城郭」を構えて牽制したと記されています。また、義経の家臣である紀伊権守・兼資を討ったとも伝えられています。

文治元年（1185年）11月3日には、都を落ちた義経一行と摂津河尻付近で合戦に及びました。この戦いでは義経側が勝利したとされています。

『平家物語』では、頼基は義経一行が自身の所領を通過し西海へ向かおうとしていることを知り、「我が門の前を通るならば、矢の一本でも射かけるべきだ」と鎌倉への忠誠を示すため、少数の手勢を率いて摂津河原津で義経一行に合戦を挑んだ勇敢な武士として描かれています（河原津の合戦）。

系譜

父：太田頼資
母：不詳
妻：不詳
養子
男子：太田義員 - 弟頼康の子
男子：太田義資 - 弟頼兼の子

源頼親を祖とする太田氏の系譜は以下の通りです。

源頼親ー源頼房ー源頼俊ー源頼景ー源惟風ー源頼明ー太田頼遠ー太田頼資ー太田頼基＝義量＝義資

太田頼基は、源平合戦という激動の時代において、自身の立場と忠義を貫いた武士として、その名を歴史に刻んでいます。

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