大和源氏

大和源氏

大和源氏（やまとげんじ）は、清和[[源氏]]の流れを汲む一族であり、源満仲の次男である源頼親を始祖とします。頼親が大和国の国司となったことで、この地に勢力を拡大し、一族は勃興しました。

勃興から平安末期まで

頼親は国司として大和国に力を扶植する中で、興福寺をはじめとする南都（奈良の寺院）勢力と度々衝突しました。その結果、頼親は流罪に処されることとなります。しかし、その子孫たちは大和一円に広がり、南都勢力との対立を続けながらも、その土地に根を下ろしていきました。

特筆すべきは、頼親から五代後の僧である信実の存在です。信実は、本来敵対関係にあるはずの興福寺の僧侶となり、ついには上座にまで上り詰めます。そして、同族である大和源氏と争うという複雑な立場に身を置くことになりました。

一方、信実と対立した源親治（宇野親治）もまた、頼親から五代後の人物です。親治は、保元の乱で崇徳上皇方についたため捕虜となりましたが、南都勢力の増長を抑えたい後白河天皇の思惑により、罪を赦されて帰郷を果たします。治承4年（1180年）には、源頼政が以仁王と共に行った挙兵に呼応した諸国の源氏の中に、親治とその子たちの名前が見られ、依然として大和国内に勢力を保っていたことが伺えます。

その後の動向

治承・寿永の乱（源平合戦）において、大和源氏は目立った活躍をすることができませんでした。この結果、大和源氏は地方豪族としての地位に留まることとなり、中世を通じて次第にまとまりを失い、各地に散らばっていきました。

親治に始まる大和国の宇野氏（その子孫には江戸時代後期の韮山代官である江川英龍がいます）、織田信雄に仕えた土方雄久の土方氏、肥後国の隈部氏、陸奥国の石川氏、三河国の高木氏、楠木正成を討ち取ったとされる伊予の大森彦七の伊予大森氏などが、大和源氏の末裔を称しています。

系譜

源頼親
源頼俊
源親治

関連

清和[[源氏]]
源満仲
興福寺
* 南都

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