太郎代

太郎代（たろうだい）について

太郎代は、新潟県新潟市北区の北東部に位置する大字であり、北地区南浜地域に所属しています。郵便番号は950-3101です。この地域は、かつて北蒲原郡の太郎代浜村であり、1889年まで村名として使用されてきました。村名は、ここを治めた斎藤太郎太夫に由来し、太郎太夫とも呼ばれました。明治の大合併を経て、周辺の村と共に南浜村に統合され、さらに昭和の大合併を受けて新潟市に組み込まれ、現在の名称となりました。

地理と集落の特徴

太郎代集落は新潟市の最北東部に位置し、新潟港の東港区の西側にあるため、多くの港湾施設と工場に囲まれています。この場所は砂丘地にあり、高低差があり、坂道が多いのが特徴です。当初は小規模な漁村でしたが、新潟東港の整備に伴い、工業地域として発展しました。しかし、この発展の裏には、集落移転問題などの厄介な課題もありました。2005年時点で、太郎代には236世帯、およそ836人が居住しています。

隣接する地域

太郎代は、北から東にかけて横土居、白勢町、島見町と隣接しています。新潟東港を挟んで聖籠町東港とも接しています。隣接する町との結びつきは、交通や商業などにおいて重要な役割を果たしています。

歴史と集落移転問題

太郎代の歴史には、1962年から始まった新潟東港整備事業に伴う集落移転問題が挙げられます。この計画では太郎代地区に埠頭や工業団地が造成される予定でしたが、住民との合意形成が難航しました。住環境が悪化する中で、多くの住民が移転を望みましたが、土地買収の提示額が低く、地主の協力が得られない状況が続きました。1990年代には経済情勢の変化も影響し、結局、2002年に県は工業地化を断念し、集落移転も凍結されました。これにより、インフラ整備の遅れが生じ、住環境の改善が求められるようになりました。

上水道とインフラ整備

1983年秋から、太郎代の上水道は新潟東港臨海水道企業団によって供給されてきました。しかし、東港の開発が滞り、企業団は業務を明和工業に譲渡しました。現在も、太郎代には簡易水道として給水されており、市の水道局の関与はありません。生活インフラの整備は他の地域に比べて遅れており、地域の住民は長年厳しい状況で生活しています。

教育機関とアクセス

市立の小中学校は地域住民の教育の場として重要です。太郎代では、近隣の小中学校に通う生徒が多く、地元の教育環境に寄与しています。また、公共交通では道路とバスが利用されており、南浜地域と新潟市中心部を結ぶ路線が運行されています。バスの運行は低い乗車率が続いていますが、地域住民にとって重要な移動手段となっています。

まとめ

太郎代は、新潟市北区における独特な地域であり、漁村から工業地域へと変貌を遂げた歴史を持つ場所です。環境や住民の生活に影響を与える問題も多々ありますが、地域の特性として魅力的な側面も多く見られます。これからの太郎代がどのように発展していくのか、地域と住民の協力が欠かせません。

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