太郎右衛門橋

太郎右衛門橋について

太郎右衛門橋（たろううえもんはし）は埼玉県桶川市川田谷と川島町東野の間に位置し、荒川を渡る埼玉県道12号川越栗橋線の道路橋です。この橋は、荒川の数多くの橋の中でも重忠橋と共に人名を冠した珍しい橋の一つです。また、「太郎右エ門橋」とも表記されることがあります。

橋の概要

この橋は河口から53.6 kmの地点に架かっており、全長は700.5メートルです。橋の総幅は8.7メートルで、有効幅は8.0メートル（車道部分が6.5メートル、歩道が0.75メートル×2）となっています。支間の最大長は80メートルで、鋼単純合成箱桁橋として設計されています。また、横断勾配は約1.5から2パーセント付与されており、橋全体に80度の斜角が施されています。さらに、埼玉県の第一次緊急輸送道路にも指定されており、その重要性が高いことが伺えます。

橋の管理は埼玉県によって行われており、右岸は荒川沿いの低地で高い堤防が設けられていますが、左岸は大宮台地の縁にあり、堤防は連続して設けられていません。橋の周囲にはアプローチ路も整備されており、両岸に築堤が配置されています。歩道も整備されており、桶川駅と川越駅を結ぶ東武バスの路線も通っています。

歴史

橋が架かる前、この場所には私設の渡し場が存在し、運営者の名前が橋の名前に影響を与えました。この渡しは、中山道と川越道に属し、1889年の当時には徒歩の渡船料は三厘、荷馬は八厘であったことが記録されています。1736年には江戸時代の末より大正時代にかけて運営されていた太郎右衛門河岸があったことも知られています。この渡船場は流氷や洪水に影響されることが多く、明治末期には木製の橋が架けられたとされていますが、何度も流失を経験しました。

1940年には木造板橋の冠水橋が架設され、道幅は狭く交互通行の制限が設けられていました。しかし、この橋も1965年の台風17号による洪水で流失し、その後の復旧工事を経て1966年には再び橋が架け直されました。この橋はまたもや自然災害に見舞われたものの、その後の整備により1971年には現存する永久橋が完成し、11月に開通しました。この開通式には多くの地元関係者が集まり、祝福の中での渡り初めが開催されました。

現在と付近の施設

現在の太郎右衛門橋は、車道の両側に歩道が設けられ、両岸には豊かな自然環境があります。特に川島町側の広い河川敷にはホンダエアポートや桶川スポーツランドがあり、橋の上からその様子を見ることも可能です。また、近隣には桶川市総合運動場や歴史的な名所も点在しており、多くの観光客が訪れます。最近では、橋のコンクリート床板に亀裂が見つかり、2023年には交換工事が行われる予定です。

このように、太郎右衛門橋は歴史的、交通的にも重要な役割を果たしており、地域住民や観光客にとって欠かせない存在となっています。

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