太陽にかける橋/ペーパー・タイガー

太陽にかける橋/ペーパー・タイガー

ケン・アナキン監督による1975年のイギリス映画。原作はジャック・デイヴィスの小説で、彼自身が脚本も手掛けています。三船敏郎、デヴィッド・ニーヴン、安藤一人らが出演し、東南アジアの架空の国を舞台に、誘拐事件に巻き込まれた人々を描いています。

あらすじ

物語は、政情不安な東南アジアの小国・クラーゴンから始まります。日本大使のカゴヤマは、息子・弘一に英国流のマナーを学ばせるため、元軍人を自称する英国人ブラッドベリーを家庭教師として雇います。ブラッドベリーは弘一に戦争での武勇伝を語り、弘一は彼を尊敬するようになります。

ある日、大使公邸でパーティが開かれますが、過激派が大臣を狙撃しようとします。ブラッドベリーは偶然から大臣を救い、弘一はさらに彼への尊敬を深めます。しかしその後、弘一は過激派に誘拐されてしまいます。ブラッドベリーは弘一を助けようとしますが、自身も捕らえられ、共に山奥のアジトに監禁されます。

一方、テレビ記者のミューラーはブラッドベリーの経歴を調べていくうちに、彼が戦争経験のない小学校教師であり、軍歴も爵位も詐称であることを突き止めます。しかし、ミューラーは彼の名誉を守るため、過去を報道しないことを決意します。

夜になり、弘一はブラッドベリーを疑ってしまったことを悔い、泣き出します。それを見たブラッドベリーは、弘一と共に脱出することを決意します。一方、弘一が残した手紙からアジトの場所を特定したカゴヤマは、軍に救出を要請します。

ブラッドベリーと弘一は小屋から脱出し、山道を逃げますが、過激派に追いつめられます。絶体絶命の状況の中、大統領のラジオ演説が始まり、過激派の動きが止まります。そこに軍のヘリコプターが現れ、過激派は制圧されます。弘一は無事救出され、ブラッドベリーも一命を取り留めます。

退院後、ブラッドベリーはカゴヤマに経歴詐称を謝罪しますが、カゴヤマは彼の勇気を称え、引き続き家庭教師として雇うことを約束します。弘一はブラッドベリーのもとに駆け寄り、物語は幕を閉じます。

原題の意味

原題の「Paper Tiger」は「張り子の虎」を意味し、虚勢を張る人物を指します。ブラッドベリーの戦争経験の捏造と、誘拐事件に立ち向かう彼の勇気を象徴しています。

キャスト

ブラッドベリー：デヴィッド・ニーヴン
カゴヤマ大使：三船敏郎
ミューラー：ハーディ・クリューガー
弘一：安藤一人

映画の評価

この映画は、虚構と現実、勇気と臆病、大人と子供の絆を描いた作品として評価されています。特に、デヴィッド・ニーヴンの演技は高く評価され、彼の代表作の一つとなっています。

外部リンク

太陽にかける橋/ペーパー・タイガー - allcinema
太陽にかける橋 ペーパー・タイガー - KINENOTE
* Paper Tiger - IMDb（英語）

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