太陽のプロミア

『太陽のプロミア』は、アダルトゲームブランド、SEVEN WONDERより2011年5月27日に発売されたファンタジーアドベンチャーゲームです。翌年にはファンディスク『太陽のプロミア Flowering Days』もリリースされました。

物語の舞台は、眩い太陽の光に満たされた都市、ミルサント。記憶を全て失った一人の青年が、その腕に一人の幼子を抱いてこの街に降り立ちました。彼らは決して切れない不思議な紐で繋がれています。青年は自身の失われた過去を探る中で、ミルサントを襲う未曽有の危機に巻き込まれていきます。街を蝕む謎の存在「黒禍」と、それに立ち向かうミルサントの守護者たち「六花」。青年と彼女たちの出会いは、世界に再び光を取り戻すための壮大な旅の始まりとなります。

この物語の中心人物である主人公コダマは、自身の名前以外の記憶を持たない青年です。なぜか彼と共にある幼子ぷぅとは、解くことも切ることもできない紐で結ばれています。この異常な状況にも関わらず、彼はどこか飄々としており、あまり深刻に物事を考えない楽天的な性格です。しかし、彼は「光炉」と呼ばれる特別な道具を使い、光の紐を生み出す力を持っています。その正体は、遥か昔からミルサントを見守ってきた賢者コダマの転生した姿であり、過去の出来事と深く関わっています。

そして、彼と紐で繋がれた幼子こそ、18年の眠りから覚めた太陽神プロミア、通称ぷぅです。本来は少女の姿で現れるはずが、なぜか幼児の姿で転生しました。言葉も話せず、行動もまさに幼子そのものですが、神の杖「ヘリアンサス」から生み出される奇跡の力は本物。光炉を活性化させたり、街を脅かす黒禍を払ったりと、その小さな体で大きな力を発揮します。

ミルサントの守護者「六花」は、秘宝12光炉のうち6つを操る力を持つ者たちです。武を司る赤の六花フレアルージュ、警備隊の部隊長で後に白の六花となるニーナ、水中図書館に籠もる変わり者ながら知識を司る青の六花アマリ、芸術を司る黄の六花エレガノ、そして六花長であり服飾を司る紫の六花レノなどがいます。彼らはそれぞれ異なる個性や背景を持ち、主人公やぷぅと共に黒禍に立ち向かいます。中には過去の出来事、例えば18年前に起きたある計画の失敗と深く関わっている人物もいます。

物語の脅威となるのは、「黒禍」と呼ばれる黒い靄と、それが具現化した怪物「憑影」です。憑影は千年前に「銀の光炉」の暴走によって生まれ、光炉のエネルギーを喰らい尽くす性質を持ち、古代文明を滅亡へと追いやりました。ミルサントを襲う憑影は、謎の侵略者リノワールや彼の配下ジゼルによって操られます。しかし、彼らの行動には隠された目的があるようです。特にジゼルは、本来黒の六花が持つ「黒の光炉」を操り、敵対する一方で主人公たちに協力するような不可解な行動をとることもあります。

その他にも、憑影を呼び出す謎の少女カシェットや、その正体が300年前の賢者エノセラであり、千年前の戦争の引き金となった南天姫であるエノセラ＝フォン＝クロイツェルなど、物語の核心に触れる重要な人物たちが多数登場します。彼らの過去や目的が明らかになるにつれて、ミルサント、そして世界の隠された歴史が紐解かれていきます。

ミルサントは、太陽樹を中心に六つの区画に分かれた円形都市です。商業区のイリシア、水源地帯で図書館があるランベル、林業が盛んなアルクス、温泉地帯のリリ、避暑地のジュエルリップ、木材加工のローゼリアなど、それぞれの地区には特徴的な風景や文化があります。これらの地区に根差す巨大な「六大樹」は、六花の光炉とリンクしており、ミルサントの重要な要素となっています。また、ミルサントはかつて栄華を誇り、千年前に死の星となった二重惑星ルディナスとも深い繋がりがあります。

ゲームの根幹を成す「光炉」は、ミルサントの人々の生活を支えるだけでなく、奇跡をも起こしうる古代文明の遺産です。中でも「秘宝12光炉」は特別な力を持つとされ、六花の光炉以外にも、あらゆる光炉を強制起動させる「金の光炉」、逆に強制停止させる「銀の光炉」、そして光炉同士や事象すら接続させる謎多き「緑の光炉」などが存在します。これらの光炉の力が、物語の鍵となります。

『太陽のプロミア』は、記憶と絆、そして過去の因縁が交錯するファンタジー作品です。主人公と幼子、そして守護者たちが織りなす物語は、街を襲う災いの謎を追いながら、世界の真実、そして光を取り戻す戦いへと発展していきます。

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