太陽の黙示録

概要

『太陽の黙示録』（たいようのもくしろく）は、著者・かわぐちかいじによる日本の漫画作品であり、2002年から2008年まで雑誌『ビッグコミック』（小学館）にて連載されていました。物語は壮大なスケールで展開し、第1部と第2部から成ります。第1部「群雄編」は全124話で構成され、続く第2部「建国編」は全63話という長期にわたる作品です。単行本は群雄編が全17巻、建国編が全9巻として発行されています。この作品は、2005年第51回小学館漫画賞・一般向け部門を受賞し、2006年には文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞にも選ばれました。また、2006年にはWOWOWによってアニメ化されました。作品を通して、小松左京の『日本沈没』と史実の『三国志』をモチーフとして取り入れ、独自の世界観を築いています。

あらすじ

物語は、大震災によって壊滅的な状況に陥った近未来の日本から始まります。この震災では富士山が噴火し、東京や関西は水没し、日本国土の5分の1が失われました。その結果、大陸が裂けて日本は南北に二分され、南部はアメリカ、北部は中国の管理下に置かれることになります。この新たな地形として「日本海峡」が誕生します。

物語の中心では、分かれた国土で異なる政府が存在し、南日本（サウスエリア）は福岡が首都という形でアメリカに支配されており、北日本（ノースエリア）は札幌を中心に中国に管理されています。南北両政府はそれぞれの正当性を主張し、国民は困難な状況に置かれています。さらに、台湾に避難した難民や世界中に広がる『棄国者』の存在も描かれています。

基本用語

日本分断

2002年、日本大震災によって本州が大断層を境に分裂しました。この結果、南関東や近畿地方は水没し、九州や四国も二分される事態に。この後、アメリカと中国による復興援助がそれぞれの地域に展開され、実質的に南北分断[[国家]]となります。

日本大震災

2002年の巨大地震が日本列島を襲い、死者は2,000万人にものぼり、被害の復旧には膨大な財政的コストがかかることが表明されました。

円

震災前の日本の通貨であり、南北両政府の通貨としても流通。しかし、経済的ダメージによりその価値は急落しました。

M資源

日本海峡の海底で発見された次世代エネルギー資源であり、その正体はメタンハイドレートです。

登場人物

ストーリーは主に柳舷一郎や宗方操を中心に展開します。

アニメ版

2006年にアニメ化され、前編『海峡』と後編『国境』が放送されました。本作は、震災発生から台湾避難までの物語を描いています。

この漫画は、近未来の混沌とした状況の中で人々が如何に生き延び、そして新たな国家を作り上げていくのかというテーマを深く掘り下げており、日本の社会情勢や国際関係についての考察も行っています。

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