太陽は泣いている
「太陽は泣いている」（たいようはないている）は、歌手いしだあゆみが1968年6月10日に日本コロムビアから発表した、通算24枚目となるシングルレコードのタイトル曲です。
このシングルは、いしだがそれまで所属していた日本ビクター（現在のJVCケンウッド、音楽レコード事業部はビクターエンタテインメント〈二代目〉）から日本コロムビアへ移籍して最初にリリースされた記念碑的な作品です。いしだは歌手デビューから約4年間をビクターで活動しましたが、1964年の「サチオ君」を除いて、残念ながら大きなヒットには恵まれませんでした。これが移籍の大きな要因となりました。
コロムビアに移籍後、いしだをスターダムに押し上げるための新たな制作体制が構築されます。ビクター時代は主にいずみたくが楽曲を手掛けていましたが、コロムビアのディレクター泉明良は、作曲に当時新進気鋭だった筒美京平を抜擢。作詞には、ビクター時代からいしだの才能を高く評価していた橋本淳が引き続き起用されました。さらに、楽曲の著作権管理や制作全体の調整、そしてプロモーション活動は日本音楽出版（現在のTBSホールディングス傘下の日音）が担当。これにより、いしだを本格的に売り出すための強力なチームが形成されたのです。
こうして生まれた「太陽は泣いている」は、当時流行していたグループ・サウンズ（GS）のリズムセクションを積極的に取り入れた、斬新な和製ポップスとして制作されました。この楽曲は大きな反響を呼び、オリコンチャートでは最高位18位まで上昇するスマッシュヒットを記録。いしだあゆみの歌手としてのキャリアにおいて、ターニングポイントとなる重要な一曲となりました。その後、この楽曲は様々なアーティストによってカバーされており、代表的な例として山内恵美子、サザンオールスターズの桑田佳祐や原由子などが挙げられます。
このシングルのカップリング曲である「夢でいいから」も特筆すべき楽曲です。B面曲でありながら、その人気の高さから多くのアーティストにカバーされることとなりました。牧村旬子、西城慶子、可愛和美、中島まゆこ、伊東ゆかり、南沙織、浅田美代子、麻丘めぐみ、小林麻美、浅野ゆう子、上野未来、ギャランティーク和恵など、多数の歌手がこの曲を自身のアルバムやシングルで取り上げています。その高い評価を受けて、「夢でいいから」は1971年11月に再リリースされる際、ジャケットが変更されるとともにA面曲に昇格し、事実上の両A面シングルとして扱われることになりました（ただし、レコード品番はオリジナル盤と同じでした）。
本記事では便宜的に、この楽曲のリメイク・カバー版である山内恵美子の「太陽は泣いているセンセーション '78」についても触れておきます。山内恵美子（現在の山内絵美子）が、旧名義時代を含め通算6枚目のシングルとして1978年6月25日にビクター音楽産業から発表したものです。当初は安西マリアのために準備されていたリメイクだったと言われていますが、諸事情により山内が歌うことになったとされています。このシングルのB面には、山本リンダが1970年に発表した同名曲のカバー「涙は紅く」が収録されています。
「太陽は泣いている」は、1968年を代表するヒット曲の一つとして、当時の音楽シーンに影響を与えました。後年、1997年に発表されたピチカート・ファイヴの楽曲「モナムール東京」も、この「太陽は泣いている」からインスピレーションを得て制作されたことが知られています。いしだあゆみの歌手としての成功を決定づけ、後世のアーティストにも歌い継がれる、まさに歌謡史に残る一曲と言えるでしょう。
主な収録アルバム
太陽は泣いている
『GOLDEN☆BEST いしだあゆみ』
『“極上歌謡曲特盛”シリーズ いしだあゆみ』
『いしだあゆみ・せれくしょん 〜シングル・ヒッツ&モア〜』
『筒美京平HITSTORY Ultimate Collection 1967〜1997』 (DISC-1)
『筒美京平HITSTORY Ultimate Collection 1967〜1997 2013Edition』 (DISC-1)
夢でいいから
『GOLDEN☆BEST いしだあゆみ』
『THE HIT MAKER -筒美京平の世界-』 (DISC-3)
『筒美京平 GOLDEN HITSTORY 〜さらば恋人〜』 (DISC-1)
このシングルは、いしだがそれまで所属していた日本ビクター（現在のJVCケンウッド、音楽レコード事業部はビクターエンタテインメント〈二代目〉）から日本コロムビアへ移籍して最初にリリースされた記念碑的な作品です。いしだは歌手デビューから約4年間をビクターで活動しましたが、1964年の「サチオ君」を除いて、残念ながら大きなヒットには恵まれませんでした。これが移籍の大きな要因となりました。
コロムビアに移籍後、いしだをスターダムに押し上げるための新たな制作体制が構築されます。ビクター時代は主にいずみたくが楽曲を手掛けていましたが、コロムビアのディレクター泉明良は、作曲に当時新進気鋭だった筒美京平を抜擢。作詞には、ビクター時代からいしだの才能を高く評価していた橋本淳が引き続き起用されました。さらに、楽曲の著作権管理や制作全体の調整、そしてプロモーション活動は日本音楽出版（現在のTBSホールディングス傘下の日音）が担当。これにより、いしだを本格的に売り出すための強力なチームが形成されたのです。
こうして生まれた「太陽は泣いている」は、当時流行していたグループ・サウンズ（GS）のリズムセクションを積極的に取り入れた、斬新な和製ポップスとして制作されました。この楽曲は大きな反響を呼び、オリコンチャートでは最高位18位まで上昇するスマッシュヒットを記録。いしだあゆみの歌手としてのキャリアにおいて、ターニングポイントとなる重要な一曲となりました。その後、この楽曲は様々なアーティストによってカバーされており、代表的な例として山内恵美子、サザンオールスターズの桑田佳祐や原由子などが挙げられます。
このシングルのカップリング曲である「夢でいいから」も特筆すべき楽曲です。B面曲でありながら、その人気の高さから多くのアーティストにカバーされることとなりました。牧村旬子、西城慶子、可愛和美、中島まゆこ、伊東ゆかり、南沙織、浅田美代子、麻丘めぐみ、小林麻美、浅野ゆう子、上野未来、ギャランティーク和恵など、多数の歌手がこの曲を自身のアルバムやシングルで取り上げています。その高い評価を受けて、「夢でいいから」は1971年11月に再リリースされる際、ジャケットが変更されるとともにA面曲に昇格し、事実上の両A面シングルとして扱われることになりました（ただし、レコード品番はオリジナル盤と同じでした）。
本記事では便宜的に、この楽曲のリメイク・カバー版である山内恵美子の「太陽は泣いているセンセーション '78」についても触れておきます。山内恵美子（現在の山内絵美子）が、旧名義時代を含め通算6枚目のシングルとして1978年6月25日にビクター音楽産業から発表したものです。当初は安西マリアのために準備されていたリメイクだったと言われていますが、諸事情により山内が歌うことになったとされています。このシングルのB面には、山本リンダが1970年に発表した同名曲のカバー「涙は紅く」が収録されています。
「太陽は泣いている」は、1968年を代表するヒット曲の一つとして、当時の音楽シーンに影響を与えました。後年、1997年に発表されたピチカート・ファイヴの楽曲「モナムール東京」も、この「太陽は泣いている」からインスピレーションを得て制作されたことが知られています。いしだあゆみの歌手としての成功を決定づけ、後世のアーティストにも歌い継がれる、まさに歌謡史に残る一曲と言えるでしょう。
主な収録アルバム
太陽は泣いている
『GOLDEN☆BEST いしだあゆみ』
『“極上歌謡曲特盛”シリーズ いしだあゆみ』
『いしだあゆみ・せれくしょん 〜シングル・ヒッツ&モア〜』
『筒美京平HITSTORY Ultimate Collection 1967〜1997』 (DISC-1)
『筒美京平HITSTORY Ultimate Collection 1967〜1997 2013Edition』 (DISC-1)
夢でいいから
『GOLDEN☆BEST いしだあゆみ』
『THE HIT MAKER -筒美京平の世界-』 (DISC-3)
『筒美京平 GOLDEN HITSTORY 〜さらば恋人〜』 (DISC-1)
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