安西マリア

安西マリア：華麗なる経歴と波乱の人生

安西マリア（1953年12月16日 - 2014年3月15日）は、1970年代を代表する歌手、女優として一世を風靡した。東京都出身。本名は柴崎麻利子。158cmという恵まれた体格とエキゾチックな魅力で、多くのファンを魅了した。

生い立ちと芸能界入り

東京都大田区で生まれた安西は、ドイツ系クォーターの血を引いていたとされるが、本人はその割合についてやや異なる見解を示していた。幼少期は英語スクールに通い、パンナムの仕事に就くことを夢見ていたという。大東学園女子高等学校卒業後、銀座のクラブで働いていたところをスカウトされ、芸能界入りを果たす。スカウトの経緯については諸説あるが、いずれにせよ、彼女の華やかな芸能人生の始まりであった。

華々しいデビューと人気絶頂

1973年、シングル「涙の太陽」で歌手デビュー。「チョコレート・マリア」というキャッチフレーズと共に、その小麦色の肌と、エキゾチックな魅力で瞬く間に人気を獲得。デビュー曲は50万枚以上の売上を記録する大ヒットとなり、同年の日本レコード大賞新人賞を受賞。桜田淳子、あべ静江、アグネス・チャン、浅田美代子らと共に、新人賞を受賞した5人全員が女性歌手という、当時としては異例のことだった。

その後も精力的にシングル、アルバムを発表し、独特のセンスとリズム感で、音楽シーンに独自の地位を築き上げた。グラビアにも登場し、その美貌とスタイルは多くの男性を虜にした。

スキャンダルと失踪事件

人気絶頂期にあった安西だったが、1978年、所属事務所とのトラブルが表面化。レコーディングをキャンセルして失踪し、大騒動に発展した。当初は「恋の逃避行」といった憶測が飛び交ったが、その後、安西は所属事務所社長の竹野博士から暴行・強要を受けていたとして、警察に被害届を提出した。この事件は、芸能界の内幕を暴く証言劇へと発展し、大きな社会問題に発展した。竹野は逮捕・起訴され、安西は芸能界を事実上引退、ハワイへ移住した。この事件は、当時、芸能界の一部に存在した闇の部分を浮き彫りにし、大きな衝撃を与えた。

芸能界復帰と晩年

ハワイでの生活を経て、安西は1999年に芸能界に復帰。ライブハウスでの歌、ジュエリーの発表など、幅広い活動を行った。晩年はうつ病を患っていたことも告白し、多くのファンを心配させた。2014年3月、急性心筋梗塞のため、60歳で急逝。その突然の死は、芸能界のみならず、多くの人々に衝撃を与えた。

ディスコグラフィーとフィルモグラフィー

安西マリアは歌手として数々のヒット曲を世に送り出し、女優としても多くの映画、テレビドラマに出演した。その作品は、彼女の芸能人生の軌跡を物語る貴重な資料となっている。以下に主な作品を記す。

シングル:
涙の太陽
恋の爆弾
涙のジャニー・ギター
ひと足お先に（幻のラストシングル）

アルバム:
マリア登場 / 涙の太陽
早いもの勝ち
涙のジャーニー・ギター
マリア・グラフィティ
夏はケ・セラ・セラ

映画:
ルパン三世 念力珍作戦
暴力教室

テレビドラマ:
金曜ドラマ 別れの午後
バーディー大作戦
事件狩り
幸福ゆき
非情のライセンス
子連れ狼
五街道まっしぐら!
駆けろ!八百八町
銀河テレビ小説 駱駝の夢
* 大江戸[[捜査網]]

安西マリアは、数々のヒット曲と個性的な演技で、時代を彩ったスターであった。その波乱に満ちた人生は、多くの人々に記憶され続けている。

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