夫婦でドンピシャ!

夫婦の絆と運を試す！クイズ番組『夫婦でドンピシャ！』の全貌

1976年4月3日から1982年10月9日まで、朝日放送（ABCテレビ）で放送された人気視聴者参加型クイズ番組『夫婦でドンピシャ！』。その7年間の歴史と、番組を彩った様々な要素を詳しく見ていきましょう。

『愛あいゲーム』からの進化と全国ネットへの波及

この番組は、前番組『三枝・アンヌの愛あいゲーム』をベースに、出演者と番組名を一新して誕生しました。当初は全国ネット放送でしたが、関西ローカルへと変更された後も、北海道から九州まで、多くの系列局や独立局で放送され、その人気は関西圏にとどまりませんでした。

夫婦の息ぴったり？絶妙なクイズ形式

番組の最大の特徴は、夫婦が共同で挑むクイズ形式です。日常生活に関する様々な質問が出題され、夫婦で同じ答えを出すことができれば賞金を獲得できます。

まず、妻がスタジオで解答し、夫は別室で待機。司会者の呼び出しに応じて、モニター越しに夫の顔だけが映し出されます。前半は妻が解答者となり、後半は夫が解答者となるという構成です。途中には一般的な三択クイズも挿入され、番組に変化を与えていました。

運命の分かれ道！パチンコゲーム

クイズで獲得した賞金は、番組のクライマックスとなるパチンコゲームでさらに増額を狙うことができます。赤、オレンジ、黒のチューリップが描かれたパチンコ台に、夫婦それぞれ1球ずつ玉を打ち込みます。2球とも赤、または2球ともオレンジに入れば賞金4倍、1球ずつ赤とオレンジに入れば2倍、1球だけが赤またはオレンジに入れば賞金はそのまま、というルールです。そして、2球とも黒のチューリップに入ると…なんと、当初は賞金没収とされていましたが、番組史上1度だけ発生した際には、ハワイ旅行がプレゼントされるというサプライズがありました。

小浜さんの「黒に入ったらスタジオを這いつくばって掃除！」といったユーモラスな脅しが、パチンコゲームの緊張感を高めるスパイスとなっていました。BGMには「天国と地獄」のアレンジ曲が使用され、ドラマチックな雰囲気を演出していました。

親子で参加も！柔軟な番組構成

年に数回、『親子でドンピシャ！』と題して、小学生とその親が参加できる企画も放送されました。基本ルールは通常放送と変わりませんでしたが、親子ならではのエピソードが飛び出し、番組に新たな魅力を加えていました。

個性豊かな司会者陣

番組の進行役を務めたのは、海原小浜さん。落ち着いた語り口で番組を支えました。男性司会者には、月亭可朝さん、そして夢路いとし・喜味こいしさんが就任。それぞれの持ち味で番組を盛り上げました。特に、月亭可朝さんの急遽の降板劇は、番組の歴史に影を落とす出来事となりました。

衝撃の事実…勝田清孝容疑者との関わり

1977年8月放送分では、後に警察庁広域重要指定113号事件の犯人となる勝田清孝容疑者が番組に出演し、賞金を獲得していたことが判明しました。この事実は、番組終了後、勝田容疑者の逮捕を機に大きく報道され、大きな衝撃を与えました。

番組終了後も続く人気

番組終了後も、『夫婦でドンピシャ！』の人気を示す出来事がありました。朝日放送ラジオでは、番組をモチーフとしたリスナー参加型企画が実施され、その人気ぶりを改めて証明しました。

このように、『夫婦でドンピシャ！』は、ユニークなクイズ形式、ドキドキするパチンコゲーム、そして個性豊かな司会者、そして予想だにしなかった事件との関わりなど、多くの要素が絡み合い、視聴者を魅了した番組だったと言えるでしょう。今もなお、多くの人の記憶に残る、名番組の一つです。

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