失われた世界 (1960年の映画)

失われた世界 (The Lost World)

『失われた世界』は、1960年に公開されたアメリカの映画で、アーサー・コナン・ドイルの古典的SF小説を原作としています。この作品は、1925年に公開された同名の映画に続く2度目の映画化であり、特に特徴的なのは、初めてのカラー作品として製作された点です。映画界の巨匠、アーウィン・アレンが製作、脚本、そして監督を手掛け、配給は名門20世紀FOXが担当しました。この映画は、前年に公開された『地底探検』に続く恐竜が登場する探検映画としても知られています。

概要

映画のストーリーは、原作に基づきながらも製作当時の現代を舞台に設定されています。前作同様に、原作には存在しない女性キャラクターが探検隊に加わるなど、ストーリーの脚色が施されています。特撮にはL・B・アボットが主に関与し、ウィリス・オブライエンも参加していますが、特筆すべきは、リアルなトカゲやワニに装飾を施して恐竜のように表現する方法が採用された点です。これは「トカゲ特撮」と呼ばれ、これにより当時の視覚効果技術を先取りする形となりました。

主な登場人物

映画には、『地球の静止する日』で主演を務めたマイケル・レニー、名作『カサブランカ』で知られるクロード・レインズ、後に『007 ダイヤモンドは永遠に』でボンドガールとなるジル・セント・ジョンなど、豪華なキャストが揃っています。デヴィッド・ヘディソンはマローン役で登場し、後にアーウィン・アレンが製作したテレビシリーズ『原子力潜水艦シービュー号』でクレーン艦長役に起用されました。

あらすじ

物語は、ロンドン動物学会で「恐竜はまだ絶滅していない」と主張するチャレンジャー教授に焦点を当てています。彼の意見に反対するサマリー教授の存在も重要で、チャレンジャー教授は探検家ロクストン卿、ジャーナリストのマローン、そして彼の上司の娘エミリーを含む探検隊を結成。彼らはアマゾンの奥地へと旅立ちます。果たしてその地には恐竜が生存し、未知の世界が広がっています。

『失われた世界』は、ドイルの原作を基にしつつも新たな解釈を加え、数々の特撮技術を駆使して描かれるアドベンチャーに満ちた作品です。観る者を魅了する映像と、克明に描かれたキャラクターたちの冒険は、今なお多くのファンに愛され続けています。

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