奄美駐屯地

奄美駐屯地と瀬戸内分屯地：南西諸島防衛の要

奄美駐屯地は、鹿児島県奄美市に位置する陸上自衛隊の駐屯地であり、奄美警備隊が駐屯しています。この駐屯地は、南西諸島における防衛体制強化の一環として、中期防衛力整備計画に基づき建設されました。中国の軍事的脅威に対応するため、離島警備部隊や地対艦・地対空誘導弾運用部隊を主体とし、約550人の自衛隊員が常駐しています。

駐屯地司令は奄美警備隊長が兼務し、開設当初は後方支援隊が管理業務を担当していましたが、2023年3月には駐屯地業務隊が新編されました。また、瀬戸内分屯地も隷下にあります。

奄美駐屯地の概要

奄美駐屯地には、警備部隊約230人と中距離地対空誘導ミサイル（中SAM）運用部隊約60人を含む約350人が駐屯しています。一方、瀬戸内分屯地には、警備部隊約130人と地対艦誘導ミサイル（SSM）運用部隊約60人を含む約210人が常駐しています。これらの部隊は、南西諸島における日本の防衛において重要な役割を担っています。

2019年3月26日に開庁し、同月31日には新編行事が実施されました。本稿では、同日に開庁した瀬戸内分屯地についても併せて解説します。

奄美駐屯地の沿革

2016年、奄美カントリークラブの一部（約30ヘクタール）が国によって買い上げられ、同年9月に工事が開始されました。そして、2019年3月26日に奄美駐屯地が開設され、以下の部隊が新編または移駐しました。

奄美警備隊本部及び本部中隊
後方支援隊
第344高射中隊（飯塚駐屯地から移駐）
西部方面システム通信群第319基地通信中隊奄美派遣隊
西部方面会計隊第443会計隊
警務隊西部方面警務隊第135地区警務隊奄美派遣隊

2023年3月16日には、奄美駐屯地業務隊が新編されました。

奄美駐屯地の駐屯部隊

以下は、奄美駐屯地に駐屯する主な部隊です。

西部方面隊直轄部隊
第8師団
奄美警備隊
奄美警備隊本部
奄美警備隊本部中隊
後方支援隊
第2高射特科団
第3高射特科群
第344高射中隊
第303高射搬送通信中隊
端局班
中継班
西部方面後方支援隊
第102高射直接支援大隊
第1直接支援中隊
第1支援小隊：第344高射中隊等を支援
西部方面システム通信群
第102基地システム通信大隊
第319基地通信中隊
奄美派遣隊
西部方面会計隊
第443会計隊
奄美駐屯地業務隊
陸上総隊隷下部隊
電子作戦隊
第301電子戦中隊（一部）
防衛大臣直轄部隊
警務隊
西部方面警務隊
第135地区警務隊
奄美派遣隊

瀬戸内分屯地の概要

瀬戸内分屯地は、鹿児島県大島郡瀬戸内町に位置し、奄美警備隊普通科中隊等が駐屯する陸上自衛隊の分屯地です。分屯地司令は奄美警備隊普通科中隊長が兼務しています。

瀬戸内分屯地の沿革

瀬戸内分屯地は、2019年3月26日に開設され、以下の部隊が新編されました。

奄美警備隊普通科中隊
第301地対艦ミサイル中隊
第101特科直接支援隊第3直接支援小隊（第301地対艦ミサイル中隊を支援）
西部方面システム通信群第102基地システム通信大隊第319基地通信中隊瀬戸内派遣隊
警務隊西部方面警務隊第135地区警務隊瀬戸内派遣隊

2024年3月21日には、第301地対艦ミサイル中隊が改編され、第7地対艦ミサイル連隊の第1地対艦ミサイル中隊として新編されました。また、第101特科直接支援隊第3直接支援小隊は、第102特科直接支援大隊第3直接支援中隊第1直接支援小隊（第1地対艦ミサイル中隊を支援）に改編されました。

瀬戸内分屯地の駐屯部隊

以下は、瀬戸内分屯地に駐屯する主な部隊です。

西部方面隊直轄部隊
第8師団
奄美警備隊
普通科中隊
第2特科団
第7地対艦ミサイル連隊
第1地対艦ミサイル中隊
西部方面後方支援隊
第102特科直接支援大隊
第3直接支援中隊
第1直接支援小隊：第1地対艦ミサイル中隊を支援
西部方面システム通信群
第102基地システム通信大隊
第319基地通信中隊
瀬戸内派遣隊
防衛大臣直轄部隊
警務隊
西部方面警務隊
第135地区警務隊
瀬戸内派遣隊

まとめ

奄美駐屯地と瀬戸内分屯地は、南西諸島の防衛において重要な役割を果たす拠点です。これらの駐屯地には、警備部隊、地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊など、多様な部隊が配備されており、日々、地域の安全保障に貢献しています。部隊の再編や装備の強化が進められており、今後もその重要性は増していくと考えられます。

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