奈良交通南紀営業所

奈良交通南紀営業所の歴史

奈良交通南紀営業所は、和歌山県新宮市神倉に所在したバス営業所で、1963年に奈良交通により開設されました。この営業所は、新宮駅を中心に幾つかの路線を担当していました。

設立背景と変遷

営業所の起源は、1958年に始まった吉野熊野観光自動車による新宮や那智勝浦での貸切バス事業にさかのぼります。1963年、奈良交通が新宮営業所を設置し、公共交通としての役割を担い始めることになります。その後、1973年には南紀開発と改称され、1988年には乗合バスと貸切バスの運行が奈良交通に譲渡され、営業所は南紀支社に改称されました。

2001年には、太地線が廃止され、町営バスの運行を受託する形で業務を続けることになりました。そして、2002年に南紀支社が南紀営業所に改名され、運営が続きましたが、過疎化とモータリゼーションの影響により、担当路線の縮小が続きました。

路線の状況

南紀営業所が担当していた主な路線は八木新宮線や熊野線でした。しかし、2006年の路線改正では、多くの路線が廃止され、残ったのは八木新宮線と一部の熊野線のみに限られました。この年の9月30日には、南紀営業所は葛城営業所に統合され、正式にその運営は終了しました。

移管路線

営業所が閉鎖される際、以下の路線が移管されました:

• - 八木新宮線: 新宮市と他のエリアを結ぶ主要な路線で、特に地域の利用者にとって重要でした。
• - 熊野線: 湯盛温泉杉の湯から池原を結ぶ路線が運営されていました。こちらも自由乗降となっており、利用者が自由に乗降できる利便性がありました。

また、太地町町営のじゅんかんバスも、奈良交通が撤退した後に新たに運行を開始しました。このバスは太地駅を起点として町内を循環するもので、地域の交通利便性向上に寄与しました。

廃止された路線

営業所の閉鎖に伴い、いくつかの路線は廃止されました。特にータ地線は1988年から運行されていましたが、2001年に全線廃止され、町営バスに取って代わられることになります。熊野線においても廃止された区間が多く、最終的には重要な役割を果たしていたいくつかの系統が消失しました。特に新宮駅からの便は、運行本数が限られており、利用者はかなりの不便を被ったと言われています。

結論

奈良交通南紀営業所は地域輸送の重要な役割を果たしていましたが、時代背景や社会状況の変化によりその運営は厳しくなり、最終的には閉鎖に至りました。地域交通の変遷を辿ることで、バスの運行が地域社会にどのような影響を及ぼし、またどのように時代とともに変革されたかを理解することができるでしょう。

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