太地駅

太地駅：鯨の町の中心駅

太地駅は、和歌山県東牟婁郡太地町森浦にある、西日本旅客鉄道（JR西日本）紀勢本線（きのくに線）の駅です。太地町の中心駅として、すべての特急列車が停車する重要な役割を担っています。

歴史

太地駅の開業は1935年7月。国鉄紀勢中線の紀伊勝浦駅から下里駅間が開通した際に誕生しました。その後、路線改称を経て、1959年には紀勢本線に編入されました。国鉄分割民営化後も、西日本旅客鉄道が運営を引き継ぎ、現在に至ります。

長い歴史の中で、太地駅は幾多の変化を遂げました。小口貨物の取扱い開始と廃止、荷物の扱い廃止、無人化、そして特急「くろしお」の停車開始など、時代の流れとともに駅の姿は変わっていきました。1996年にはホームに鯨の壁画が完成し、太地の捕鯨の歴史と文化を象徴する存在となりました。2014年にはすべての特急列車が停車するようになり、アクセス性が大きく向上しました。さらに、2016年にはICOCAの利用が可能になり、利便性が向上しています。2021年には防災機能を備えた新しい駅舎が完成しました。

駅構造

太地駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅です。ホームは築堤上にあり、駅舎へは階段または坂道を下る構造となっています。ホームには、太地町のシンボルである鯨をモチーフにした壁画が描かれています。

駅舎は新宮駅が管理する無人駅ですが、日常的な管理は太地町に委託されています。コンクリート平屋建ての駅舎内には、自動券売機が設置されています。以前は特急券も購入できましたが、全車指定席化に伴い、現在は車内での購入となっています。

バリアフリー化の取り組みとして、2011年には改札口からホームへ通じるエレベーターが設置されました。駅舎内には南紀くろしお商工会太地支所と太地町観光案内所が併設されており、観光客向けの情報提供やレンタサイクルサービスなども行われています。

利用状況

太地駅の利用状況は近年、変動を続けています。詳細なデータは統計資料などを参照ください。

駅周辺

太地駅は、那智勝浦町から太地町に入った場所に位置しています。太地町の中心部は駅から西に離れており、駅周辺は森浦集落の一部となっています。駅前には商店や住宅が点在しています。太地町中心部へはバスでアクセスできます。

駅周辺には、那智黒総本舗、道の駅たいじ、太地町営駐車場などの施設のほか、太地町役場、太地郵便局、太地町立太地小学校、太地町立太地中学校などの公共機関もあります。観光スポットとしては、太地湾、太地港、ワールド・ドルフィン・リゾート、太地町立くじらの博物館（駅から約2km）、梶取崎、燈明崎、太地温泉、くじら浜公園、落合博満野球記念館などがあります。

バス路線

太地駅停留所からは、太地町町営じゅんかんバス、那智勝浦町営バス、熊野御坊南海バス（白浜空港リムジンバス）などの路線バスが発着しています。

その他

松竹映画「喜劇・怪談旅行」では、有人駅時代の太地駅が舞台として使用されました。

隣の駅

湯川駅 - 太地駅 - 下里駅

※特急「くろしお」の停車駅については、列車の運行情報をご確認ください。

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