奉先寺 (南楊州市)

奉先寺 (ほうせんじ)

奉先寺（ポンソンサ、봉선사）は、大韓民国の京畿道南楊州市に位置する重要な仏教寺院です。特に、韓国における仏教の最大勢力である曹渓宗の第25教区本寺とされています。この寺院は、李氏朝鮮時代に多くの歴史的事件を経ながら発展してきました。その中で、世宗による宗教弾圧を受けながらも、奉先寺は次第に教宗の総本山としての地位を確立していきました。

歴史的背景

奉先寺の創建は、李氏朝鮮の睿宗の時代にさかのぼります。1469年、王の母であり世祖の王后であった貞熹王后によって、夫の菩提寺として設立されました。一方で、別の説では高麗の光宗の時代に僧侶の坦文が雲岳山に建立した雲岳寺が奉先寺の創建に関連しているとされますが、曹渓宗は1469年を正式な創建年として認めています。

寺院はその後も多くの歴史的事件を経て発展しました。たとえば、1504年には燕山君による仏教弾圧があり、禅宗の総本山である興天寺や教宗の総本山である興徳寺が廃寺となりました。この時期、朝鮮の仏教は甚大な被害を被りましたが、明宗の時代、1551年に禅教二宗派が復旧し、奉先寺は教宗の総本山に指定されました。これにより、寺院としての地位を確立する基盤が整いました。

その後も奉先寺は歴史的な試練に直面しました。1592年の朝鮮の乱（日本による侵略）では寺院が焼失しましたが、翌年に住持の朗慧大師によって再建されました。また、1636年には丙子の乱でも焼失し、戒敏大師により再び再建が行われました。このように、多くの火災や惨事を乗り越えながら、奉先寺はその存在意義を見出してきたのです。

1911年には、日本による統治下で寺刹令施行規則に基づき、朝鮮三十本山の一つに指定され、その後も多くの人々に訪れる場所として知られるようになりました。

しかし、朝鮮戦争では、法堂を含む約150の建物が焼失しました。その後、1956年に華厳によって梵鍾閣が、1961年から1963年にかけて雲霞堂が再建され、1969年には耘虚が法堂を、1977年には月雲が霊閣を再建しました。これらの再建は奉先寺の歴史を物語る重要な出来事となっています。

現在の奉先寺

奉先寺は、数世代にわたって信者や観光客に親しまれ、韓国仏教文化の一端を担っている重要な施設です。多くの人々がこの場所を訪れ、仏事や修行、瞑想などを行っています。奉先寺の庭や建物は、静寂な雰囲気を漂わせ、来訪者に心の安らぎを提供しています。歴史を背景に持つこの寺院は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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