奔王

奔王とは

奔王（ほんおう）は、さまざまな将棋のバリエーションに存在する将棋の駒であり、特に中将棋や大将棋などで重要な役割を果たします。基本的な特徴は、チェスのクイーンと同様の動きを持っていることです。このため、奔王は盤上での多彩な攻防において非常に強力な駒として認識されています。

歴史的背景

2009年、徳島県の川西遺跡から鎌倉時代の将棋駒が出土し、そこに「本横」という文字が刻まれていたことが報告されました。この駒は奔王の異体字である可能性があるとされ、将棋の歴史の中で奔王の存在がいかに古いものであるかを示唆しています。

各将棋における奔王の役割

奔王は中将棋や大将棋において特に重要とされており、一般には「奔」と略されます。中将棋と大将棋では、奔王は鳳凰の成駒として扱われ、大大将棋や泰将棋では馬麟の成駒として位置づけられています。成ることはできませんが、その性能は序盤よりも中盤や終盤において本領を発揮します。

中将棋における奔王

中将棋では、奔王は獅子に次ぐ強力な駒とされています。序盤において、奔王を無防備に上段に移動させると敵に狙われやすくなるため、通常は下段に配置するのが基本です。しかし、盤面が進行するにつれ、その強力な攻撃力が中盤及び終盤で特に光ります。特に終盤では、機動力において獅子を凌駕する場合も少なくなく、相手に対して多大なプレッシャーを与えることができます。

他の将棋における奔王

奔王は、天竺大将棋や大局将棋でも重要な役割を果たしています。天竺大将棋では、奔王が鳳凰の成駒となり「奔鷲」に変化します。また、大局将棋では奔王は奔獏、奔鬼、馬麟の成駒とされ、成ることで大将に変わることができます。

結論

奔王はその強力な動きにより、多くの将棋のバリエーションで重要な存在となっています。戦局によってその活躍の場を変えるため、プレイヤーは巧妙にその特性を活かすことが求められます。将棋の楽しみの一部は、こうした多様な駒の特徴を理解し、それを基に戦略を練ることにあるのかもしれません。将棋は奥の深いゲームであり、奔王という駒もその一端を担う存在として、これからも注目され続けることでしょう。

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