奥尻島

奥尻島の概要

奥尻島（おくしりとう）は、北海道の南西部、特に日本海に浮かぶ美しい島です。面積は142.97km²で、北海道内では5番目に広くなります（北方領土を除くと2位）。この島は、奥尻郡奥尻町を形成しており、2022年の時点での人口は約2,420人です。

地理と歴史

本土の江差町から北西に約61km離れた場所に位置する奥尻島は、1966年1月1日に町制が施行されて以来、地域の経済や文化が発展してきました。島の基幹産業としては、イカやホッケに代表される漁業と、ウニやアワビなどの高級食材を狙った磯根漁業が挙げられます。さらに、神威脇温泉が西部に湧き出ており、観光名所としても知られています。

島には、航空自衛隊の基地もあり、ここからは日本の領空を常時監視する機能を担っています。このように、奥尻島は自然環境だけではなく、防衛面においても重要な役割を果たしています。

自然災害と復興

1993年7月12日に発生した北海道南西沖地震は、奥尻島にも多大な影響を及ぼしました。青苗地区を中心に、津波による悲惨な被害があり、200人以上の命が失われました。この地震により、かつて約4,700人いた人口は大幅に減少し、令和2年の国勢調査では2,410人にまで落ち込んでいます。この災害を受けて、防波堤などの津波対策が行われ、多くの国から防災に関する注目を集めるようになりました。

観光とイベント

毎年6月には、満月の夜に開催される「奥尻ムーンライトマラソン」が行われています。このマラソン大会では、フルマラソンやハーフマラソンが選べ、参加者には島の新鮮な海産物が振る舞われる前夜祭と後夜祭があります。多くのランナーがこの特別なイベントに参加するために訪れ、地域のにぎわいを創出しています。

交通アクセス

交通状況も便利で、奥尻空港があり、日本航空が平日に函館空港から往復便を運航しています。土休日には丘珠空港からの便も利用可能です。また、島内には奥尻港と江差町間を結ぶ定期船も運行しており、夏季は1日2便、冬季は1日1便と季節によって運航本数が異なります。さらに、フリー乗降方式の町有の路線バスも運行されており、島内での移動には便利です。

自然環境と周辺の島

奥尻島は自然に恵まれており、神威山（標高584m）や球島山（標高369.3m）などの山々が点在しています。さらに、周囲には無縁島や平島、室津島といった小さな島や岩礁もあり、独特の景観を形成しています。特に無縁島は高さ63mで、奥尻島周辺で最も高い島とされています。これらの場所は、素晴らしいハイキングのスポットや観光地としても知られています。

まとめ

奥尻島はその自然美と地域文化を活かした魅力的な観光地であり、産業、交通、文化イベントが調和しています。過去の災害を乗り越えた島民たちの復興の姿勢も、訪れる人々に感銘を与えることでしょう。

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