奥山定友

奥山定友の生涯

奥山定友（おくのやま さだとも）は、戦国時代における武将で、主に遠江国で活動していた人物です。彼は当初、今川氏の家臣として知られましたが、後に徳川氏や武田氏にも仕官し、その時代背景の中で様々な役割を果たしました。

出自

定友は遠江国の国衆、奥山氏の一族に生まれました。系図によると、彼の父は奥山能登守とされていますが、一次史料から明らかにされている名前は奥山右衛門尉です。また、系図には兄弟に関する情報も記載されていますが、弟の奥山友久とされる部分は史料から確認できるものです。

事績

奥山氏は遠江国の奥山郷（現在の浜松市の一部）を領しており、東海地方では今川氏に従っていました。1563年には、惣領の奥山吉兼が今川氏に反旗を翻しましたが、定友は彼に従わず、弟の友久と共に今川方に残る選択をしました。これにより、1567年の正月に定友兄弟は今川氏の直参として認められ、吉兼の後を継ぐようにとの命を受けました。しかし、彼らが受け取った土地は、吉兼が実効支配していたことから替地として上長尾郷や友永郷が与えられました。

定友は今川氏真の指示により、北遠の反攻勢力に対抗するために中尾生城の普請を担当しました。1568年12月、徳川家康が遠江に侵攻すると、定友は当初今川方として犬居城を守っていましたが、翌年4月には天野藤秀と共に徳川氏に従属しました。

1572年には、武田信玄が徳川領に侵攻する事態が発生し、再び天野藤秀と共に武田氏に従うこととなりました。このような状況の中で、定友と友久は上長尾郷を本領として徳川氏および武田氏から安堵されました。

1573年7月、与えられた知行地に不満が生じ、定友は甲府に赴いて加増を求めました。結果的に、武田勝頼から鶴松内で100貫文の知行を加増されることが決まりました。

その後の定友、および弟の友久に関する記録は失われており、彼らの動向は不明な部分が多いですが、彼の軍事的な活動と当時の政治的な変遷は、戦国時代の興亡を理解する上で重要な資料の一つとなっています。

結論

奥山定友の生涯は、戦国時代における家臣の立場や複雑な主従関係を象徴しています。彼の動きは、時代の変遷の中で如何に彼自身と弟が生き残る戦略を選択したのかを示すものです。彼の存在は、当時の様々な武将たちの策略と意志の交錯を如実に物語っています。

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