奥村奈未

プロフィール

奥村 奈未（おくむら なみ）氏は、1995年7月19日に千葉県香取市に生まれた日本の元女子プロ野球選手です。内野手としてプレーし、そのキャリアを通じて複数のチームで活躍しました。

野球との出会い

彼女が野球の世界に足を踏み入れたのは、小学校2年生の時でした。高校野球の球児だった父に連れられて観戦した千葉県大会で、「チアリーダーと選手、どちらになりたいか」と問われ、迷わず「選手」を選んだことが、野球人生の始まりとなります。小学校時代は地元の軟式野球チーム「佐原ヴィーナス」に所属し、数少ない女子選手の一人としてプレーしました。4年生からは投手を任され、チームの柱として経験を積みました。

アマチュア時代

中学校では軟式野球チームの「香取リトルシニア」で野球を続け、基礎を磨きました。高校は埼玉県にある埼玉栄高等学校に進学し、女子硬式野球部に入部します。ここでは主にショートやサードといった内野のポジションでその才能を発揮し、主力選手としてチームを牽引しました。特に、在学中には第17回全国高等学校女子硬式野球選手権大会でチームが全国優勝を達成する栄誉に浴しました。

プロフェッショナルの世界へ

高校での輝かしい実績を背景に、奥村氏は女子プロ野球選手への道を歩み始めます。2013年度のトライアウトに挑戦し、受験者67名の中から合格者13名の一人として選ばれました。これにより、奥村氏は千葉県出身者として初めての女子プロ野球選手となるという歴史を刻みました。プロのキャリアは兵庫ディオーネ（後の愛知ディオーネ）でスタートしました。入団に際しては、地元香取市の市長から、当時の球界を代表する投手になぞらえて「女性版マー君になってほしい」と激励され、大きな期待が寄せられました。

輝かしいキャリアと記録

プロ選手として、奥村氏は攻守にわたってチームに貢献しました。内野守備での堅実なプレーは高く評価され、2017年には一塁手としてゴールデングラブ賞を受賞。リーグを代表する守備者としての地位を確立しました。また、打撃面でも力をつけ、2018年にはリーグの本塁打者賞を獲得するなど、長打力も兼ね備えた選手へと成長しました。

プロ公式戦における節目の記録も数多く刻んでいます。以下はその主なものです。

初出場・初打席：2014年4月3日、試合の7回表に代打で出場。対戦相手投手は池山あゆ美でしたが、結果は空振り三振でした。
初安打：2014年7月5日に行われた対レイア戦の5回裏。投手は泉由有樹から、センター前へ打ち返し、記念すべきプロ初安打を記録しました。
初本塁打：2018年5月3日、対埼玉アストライア戦の2回裏に飛び出しました。投手は磯崎由加里から、レフトスタンドを越えるソロ本塁打を放ち、プロでの初アーチを飾りました。
100安打達成：2019年9月23日、対埼玉アストライア戦の2回裏に達成しました。再び磯崎由加里からレフト前へヒットを放ち、通算100安打の大台に乗せました。

チーム遍歴と引退

兵庫ディオーネでプロ生活を開始した後、奥村氏は複数のチームでプレー経験を重ねました。埼玉アストライアには三度にわたり所属したほか、レイア（育成球団化以前）や京都フローラでもそのユニフォームに袖を通しました。2019年シーズン途中の6月26日には、チームメイトと共に愛知ディオーネへの移籍が発表され、同年6月29日から同チームの一員としてシーズンを戦いました。

女子プロ野球リーグが開催した人気企画「美女9総選挙」では、選手としての能力だけでなく、その親しみやすい人柄でもファンからの支持を集めました。2018年には6位、2019年には4位にランクインし、リーグを代表する選手として注目されました。

しかし、2019年11月1日、そのシーズン限りで女子プロ野球リーグからの退団が発表され、プロ野球選手としてのキャリアに終止符を打ちました。

退団後

リーグを去った後、奥村氏は新たな人生のステップを踏み出します。2020年1月31日には、自身のソーシャルメディアを通じて結婚したことを公表し、多くの祝福を受けました。

背番号の軌跡

プロ選手として活動した期間で、奥村氏は複数の背番号を背負いました。その変遷は以下の通りです。

• - 17（2014年）
• - 19（2015年 - 2017年）
• - 2（2018年）
• - 3（2019年 シーズン途中まで）
• - 7（2019年 シーズン途中から）

奥村奈未氏は、地元千葉県出身初の女子プロ野球選手として、また内野手としてゴールデングラブ賞、打者として本塁打者賞を獲得するなど、攻守にわたってリーグに貢献した選手として、その名を刻んでいます。

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