奥村裕一

奥村裕一の経歴と業績

奥村裕一（おくむら ひろかず、1948年 - ）は、日本の通商産業省の官僚として長年にわたり活躍し、その後は行政学者としても著名な存在です。1971年に東京大学教養学部を卒業し、同年通商産業省に入省しました。彼のキャリアは多岐にわたり、官僚業務に従事しながら多くの研究と教育活動を行ってきました。

厳しい官僚時代

彼は1974年に経済企画庁経済協力一課へ配属されて以来、主に経済協力や貿易政策に関わる課での業務を担当しました。1980年には通商政策局経済協力課に配属され、その後1986年には日本貿易振興会のシドニーセンターで産業調査員としての経験も積んでいます。このような国際的な業務を通じて、彼は日本の貿易政策に深く関わり、特に1989年から1995年にかけてAPECの推進室長や総務課長として重要な役割を果たしました。

政府での重要な職位

1996年から1999年には大臣官房審議官や資源エネルギー庁公益事業部長を歴任し、特に電力とガスの自由化に向けた改革に尽力しました。また、2000年7月には貿易局長と貿易経済協力局長を兼任し、中国農産物の輸入問題に関しても取り組みました。その後2001年に経済産業省を退職し、経済産業研究所のコンサルティングフェローとなり、学術界への道を歩み始めます。

学術界への移行

2002年には京都大学大学院法学研究科で客員教授として教鞭を修め、その後も立命館アジア太平洋大学や東京大学での教授職を務めました。特に、ICTを用いた行政改革やオープンガバナンスの研究に注力し、デジタル社会における市民参加の重要性を啓発しました。2016年からは「チャレンジ！！オープンガバナンス」コンテストの事務局長を務め、オープンガバナンス促進のための活動を行っています。

受賞歴と著作

奥村はその業績に対し多くの評価を受けており、2018年には瑞宝中綬章を受章しました。また著作や論文も多数発表しており、特に「オープンガバメント」や「オープンガバナンス」については先駆的な研究を行い、関連する書籍や論文においてその重要性を論じています。彼の著作には、訳書や共著もあり、国際的な視点から行政制度の変化に関する議論も展開されています。

現在の活動

現在は（一社）オープンガバナンスネットワークの代表理事を務め、デジタル社会における市民参加型の行政システムに関する研究と活動を継続しています。彼の取り組みは、現代社会における情報技術の発展と行政の在り方を考える上で、非常に重要な試みとなっています。奥村裕一の研究と活動は、行政改革や市民参加の進展を図る上で、今後も注視されるべき重要なテーマです。

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