奥様は魔女 (1942年の映画)

映画『奥様は魔女』（1942年）

1942年に製作されたアメリカ映画『奥様は魔女』（原題：I Married a Witch）は、ルネ・クレールが監督を務め、フレドリック・マーチとヴェロニカ・レイクが主演したファンタジー・ロマンティックコメディ作品です。ソーン・スミスとノーマン・H・マトソンによる1941年の小説『The Passionate Witch』を原作としており、後に世界中で人気を博した同名のテレビシリーズの源流となったことでも知られています。

本作はパラマウント映画によって製作されましたが、公開はユナイテッド・アーティスツを通じて行われました。

物語

物語は17世紀末のニューイングランド、セイラムの村から始まります。魔法使いのジェニファーと彼女の父ダニエルは、魔女として訴えられ、処刑されてしまいます。彼らの灰は木の根元に埋められ、その力が封じ込められました。処刑を主導したジョナサン・ウーリーへの報復として、ジェニファーはウーリー家の男性が代々「不幸な相手」と結婚する呪いをかけます。以来、ウーリー家の男たちは何世代にもわたり、家庭内で苦労を強いられる女性を選んで結婚する宿命を背負うことになります。

時は流れ1942年。ウーリー家の子孫であるウォレス・ウーリーは州知事への立候補を控えており、有力な支援者の娘エステルとの結婚も間近でした。そんな折、墓標代わりの木に雷が落ちたことで、ジェニファーとダニエルは現代に幽霊として復活します。ウーリー家の現在の当主ウォレスを破滅に陥れようと企むジェニファーは、彼に魅了する薬を飲ませようとしますが、図らずも自らがその薬を飲んでしまいます。その結果、ジェニファーは憎むべき相手であったはずのウォレスに激しい恋心を抱いてしまうのです。この予期せぬ展開から、ウォレスとジェニファー、そしてその周囲の人々を巻き込んだ騒動が巻き起こります。

主な登場人物

ジョナサン/ナサニエル/サミュエル/ウォレス・ウーリー: 魔女の呪いを引き継ぐウーリー家の歴代当主、そして現代のウォレス。
ジェニファー: ウーリー家への復讐を誓う美しい魔女。誤って自ら惚れ薬を飲み、ウォレスに恋する。
ダニエル: ジェニファーの父である魔法使い。娘と共に復活し、復讐を企む。
エステル・マスターソン: ウォレスの婚約者。彼の政治キャリアを支える立場。
* ダドリー・ホワイト: ウォレスの友人。

評価と受賞

本作は公開から時を経ても高く評価されています。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesでは、22件のレビューに基づく評価で95%の批評家が高評価を与え、平均スコアは10点満点中7.50点となっています。

また、アカデミー賞においても評価され、第15回アカデミー賞ではロイ・ウェッブが劇映画音楽賞にノミネートされました。

テレビシリーズとの関連性

本作は、1964年から1972年にかけて放送され、日本でも大ヒットしたテレビシリーズ『奥さまは魔女』のインスピレーション源となりました。設定やキャラクターに共通点が見られますが、ストーリーや詳細は異なります。

この映画は、時代を超えて愛されるファンタジーコメディの傑作であり、魔女と人間のロマンスというテーマを魅力的に描いています。

もう一度検索