奥田継夫

奥田継夫は、1934年大阪府に生まれました。旧制住吉中学校では、作家の眉村卓と同級生でした。同志社大学文学部国文科を卒業後、同人誌「こだま」での活動を経て、創作活動に専念します。

1968年、自身の疎開体験を基にした『ボクちゃんの戦場』で作家デビューを果たしました。この作品は、戦時下の子どもの視点を通して戦争の悲惨さを描き、1985年には映画化もされています。

1988年には、『この心さわぐ冒険、愛』で産経児童出版文化賞の推薦を受けました。また、1993年には『いやしんぼ』がNHKでテレビドラマ化され、幅広い層からの支持を集めました。

奥田継夫の作品は、児童文学の枠にとどまらず、少年少女の成長や心の機微を繊細に描いたもの、ユーモアあふれる物語、社会問題を提起する作品など、多岐にわたります。

特に、『中学時代』『続いていた青い空』『夏時間』の戦後三部作は、戦後の日本の社会や人々の生活、子どもたちの変化を鮮やかに映し出し、時代を超えて読み継がれる作品となっています。

また、『少年の時』や『ピースボートの夏』など、自身の体験を基にしたエッセイや紀行文も多数発表しており、その軽妙な語り口と深い洞察力は、読者を魅了します。

翻訳家としても、アーノルド・ローベルやスベン・オットーなど、海外の著名な作家の作品を数多く翻訳しており、日本の読者に海外の児童文学の魅力を伝えています。

主要な著作は、『奥田継夫ベストコレクション』（ポプラ社・全10巻）にまとめられています。このコレクションは、彼の児童文学作家としての業績を網羅的に理解する上で貴重な資料となっています。

奥田継夫は、児童文学の世界において、常に新しいテーマや表現に挑戦し、幅広い読者層に影響を与え続けている作家です。

主な作品

創作
『ボクちゃんの戦場』
『中学時代』
『日付のないLove Letters』
『かげぼうしがきえるとき』
『影ぼうしはどこへ行った?』
『魔法おしえます』
『泳ぐ夏休み』
『夏時間』
『続いていた青い空』
『とりだす魚』
『星にいったパイプじいさん』
『あまがささかさま』
『海の時間のまま』
『はだかんぼうがふたり おとなっていいなあこどもっていいなあ』
『おかえりなさいおとうさん』
『さかな石ゆうれいばなし 楽語』
『さくらさん、おばあさんになる』
『少年の時』
『そんなことって、ある?』
『ぼうしのなかの女の子ぼうしのなかの男の子』
『赤いかささーしてた女の子』
『いじっぱりっ子なみだっ子』
『いやしんぼ』
『イルカのおよぐ日』
『おじいちゃんとあくしゅ』
『かがみよかがみ…』
『三角の部屋』
『清水一郎のふしぎな話』
『手品でございます』
『はいたつされたふしぎなじゅもん』
『おばあちゃんのスイート・ポテト』
『お母ちゃんお母ちゃーんむかえにきて 集団疎開の絵本』
『クリスマス急行』
『あさ子ちゃん、さようなら あさ子ちゃん、こんにちは』
『おかあちゃんきてください』
『くつくつさいた花さいた』
『この心さわぐ冒険、愛』
『魔女シャーホ』
『サンドイッチは夢のとき』
『はらぺこホットケーキ・ソング』
『ゆめがとびだしたケーキ』
『ヒツジくんのカレー』
『先生志願』
『いのちをうばった神さま』
『おじいさんの奇妙な旅』
『鬼の子太郎』
『きえていく時間』
『島太郎へんしん』
『死んだスーパーマン』
『つりギツネをつった男』
『扉をあけるとふしぎな世界』
『ねずみとかめのふしぎな時間』
『墓場のあかちゃん』
『お正月さん』
『お父さんのeメール』
『スマトラ愛ストーリー』
『どこでねるの』
評論・エッセイ
『絵本部屋にて』
『子どもが大人になるとき』
『ティータイムには童話をどうぞ』
『子どもの色、空の色』
『君たちは性をどう考えるか』
『かきく毛考さしす世相』
『酒の肴があれば、呑むことにしよう』
『ピースボートの夏 ぼくの東南アジア航海記』
『映画に出演した少年たち 「ぼくちゃんの戦場」の戦場』
『少年の性』
『世界にも学童疎開があった』
『どこかで鬼の話 鬼の本をよみとく』
『親にも読ませたい子どもの本ガイド』
『世界映画ライブラリー』全2冊
『食べて歩いてやっと旅人らしく』
『シリーズ映画で考える』全3巻
『浪花のいやしんぼ語源自典』
『大人も読みたい子どもの絵本』
『語源で探るユダヤ・キリストの逆コード』
『魅せられてインド陰陽紀行』
『徐福紀行 魅せられて中国、食彩と歴史空間』
翻訳
『いえのなかを外へつれだしたおじいさん』
『魔女たちのあさ』
『マリアンの海』
『ちいさいちいさいぞうのゆめ･･･です』
『ペーターの赤ちゃん』
『ペーターと女友達』
『ちいさないぬのゆめ･･･でした』
『三びきのかなしいトロル』
『魔女たちのパーティ』
『ママたちとパパたちと』
『リトル・セックス』
『結婚ごっこ』
『おねぼうニコライ』
『ひみつの白い石』
『白くまマリヌス』
『荒野に生きる詩』
『誕生日の青い自転車』
『トンチンカンばあさん』
『マリアンの海』
『ウォー・ボーイ 少年は最前線の村で大きくなった。』
『おじいちゃんにあいに』
『かぼちゃひこうせんぷっくらこ』
『タクシーのすきな犬』
『ティムとトリーネ』
『マスとミラリク グリーンランドの絵本』
『クリスマスの絵本』
『スキャリーおじさんのにぎやかなビジータウン』
『スニッフはたんていだいすき』
『スモーキーはしょうぼうだいすき』
『ドクターふうふはびょういんだいすき』
『ハリーとラリーはりょうしがだいすき』
『パトリックふうふはおひゃくしょうだいすき』
『フランシスはしゅうぜんだいすき』
『せかいいちいそがしいぶたのしょうぼうし』
『せかいいちおいしいバナナ・スープ』
『せかいいちさわがしいかばのヒルダさん』
『せかいいちどじなぶたのフランブルさん』
『せかいいちはらぺこな3にんぐみ』
『せかいいちゆかいなとうさんねこのたんじょうび』

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