徐福

徐福についての詳細

徐福（じょふく、拼音: Xú Fú）は、秦の方士であり、出身地は現在の山東省臨沂市周辺に位置する琅邪郡とされています。彼の生没年は明らかでないですが、『史記』の記述により、その活動が知られています。

経歴と冒険

徐福は秦の始皇帝に「東方の三神山に長生不老の霊薬が存在する」と進言しました。この情報を受けて、始皇帝は徐福に3,000人の童男童女、つまり若い男女と、各種の技術を持つ百工を従えさせて東方への大航海を命じました。出発するにあたり、徐福は貴重な財宝や五穀の種を持参しました。

しかし、徐福は目指す三神山にはたどり着けませんでした。結果的に「平原広沢」と呼ばれる広い平野と湿地に定住し、王としての地位を得ることとなり、秦の地には戻らなかったと言われています。

この三神山とは、蓬莱、方丈、瀛州と呼ばれ、神仙が住むと信じられた場所であり、東アジアの多くの文化において重要な意味を持っています。また、三神山は『竹取物語』にも記されており、古来の神話や伝説に深く根ざした存在です。

詐欺者としての徐福

『史記』の別の部分である「秦始皇本紀」には、徐福が始皇帝に不死の薬を献上すると持ちかけたが、実際には出発していなかったという記述があり、徐福が「詐欺師」としての評価を受けることとなります。始皇帝は徐福の具体的な行動の結果を求め、改めて彼を再出港させましたが、その帰路で始皇帝は崇めるべき人物である皇帝として崩御することになりました。

出航の地と伝承

徐福が出航したとされる地は、紀元前219年には河北省の秦皇島市、紀元前210年の第2回出航時には浙江省慈渓市とされていますが、正確性は不明であり、その記述は古代文献に基づく推測です。

徐福の伝説は徐々に日本や朝鮮半島へと広がり、各地域で独自のバリエーションの伝承が見られました。多くの学者は彼の日本到来については証拠が不十分と考えていますが、徐福が日本にたどり着いたという話は興味深く、各地に様々な伝承が残されています。

日本における徐福の伝説

特に人気のある伝承の一つは、徐福が熊野に到達したとされるものです。この地には「徐福ノ宮」が存在し、彼が持参したすり鉢を神として祀っています。また、和歌山県新宮市には徐福の墓とされるものが伝わるほか、佐賀県佐賀市では徐福の伝説に関連する植物「フロフキ」が自生しているという言い伝えもあります。

さらに、長野県や愛知県でも彼にまつわる伝説が存在し、徐福が日本に持ち込んだ文化や技術が後代へと影響を与えたとされるエピソードが多く語られています。このように、徐福は日本の伝説や文化史に大きな影響を与えた人物として位置づけられています。

研究と交流

徐福に関する研究は、1982年、中国の地名辞典の編纂時に徐福村があることが知られるようになりました。その後、徐福にまつわる地域と日本間での交流が進み、様々なイベントやシンポジウムが行われています。

徐福をモデルにした文化的作品も数多く存在し、文芸作品や漫画、ゲームなど、彼の伝説は今なお多くの人々に愛され続けています。

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