奥野克巳

奥野 克巳（おくの かつみ）について

1972年に生まれた奥野克巳は、日本の文化人類学者として活動し、主に東南アジアの社会や文化に焦点を当てた研究を行っています。彼は立教大学異文化コミュニケーション学部の教授として教鞭をとっており、独創的な教育方法によって注目を浴びています。

経歴の概要

1998年に、ボルネオ島のカリス社会に関する研究をもとに、一橋大学から博士（社会学）の学位を取得しました。この研究は「災いの説明と災いへの対処 ― ボルネオ島カリス社会における精霊、毒薬、邪術 ―」というタイトルであり、彼の学問活動の基盤を形成しています。

1999年には桜美林大学の国際学部で専任講師としてキャリアをスタートさせ、2002年には助教授に昇進します。その後も同大学でリベラルアーツ学群の准教授を経て、教授職を務め、さらに2008年には人文学系教授に就任しました。彼の授業では、新宿歌舞伎町でのフィールドワークや昆虫食、模擬葬儀といったユニークなテーマが取り組まれ、多様な視点を持つ学生に多くの影響を与えています。

立教大学での活動

2015年、奥野は立教大学の異文化コミュニケーション学部の教授に転任し、翌年からは大学院の異文化コミュニケーション研究科でも指導を行っています。彼の教育法は、学生たちに対して新しい考え方を促し、文化や社会についての洞察を深めることを目的としています。

著書の紹介

奥野の著書には、単著、共著、共編著が多数あり、その中でも特に評価されているものには次のようなタイトルがあります。

• - 「精霊の仕業」と「人の仕業」: ボルネオ島カリス社会における災い解釈と対処法（春風社、2004年）
• - 帝国医療と人類学（春風社、2006年）
• - 人と動物、駆け引きの民族誌（はる書房、2011年）
• - ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと（亜紀書房、2018年）
• - モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと（亜紀書房、2020年）
• - ひっくり返す人類学 - 生きづらさの「そもそも」を問う（2024年予定）

また、共著では「マンガ人類学講義: ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか？」や、他にも多様な専門家との共著を通じて、人類学の視点を幅広く表現しています。

文化人類学への貢献

奥野の研究は、文化人類学の枠を越えた多元的な視点を提供し、彼自身のフィールドワークに基づいたリアルなデータをもとに、新たな学問の方向性を示しています。彼が提唱する教育や研究は、現代の課題を捉えるための重要な手段となっており、多くの学生や研究者に影響を与えています。

結論

奥野克巳は、文化人類学という枠組みの中でユニークな視点と実践を持っている学者です。彼の経歴や著作は、東南アジアの文化を理解する上での重要な素材となり、将来的な人類学の発展に寄与することでしょう。彼の教育活動と研究は、多様性を尊重し、理解する力を育むための貴重な貢献となっています。

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