女子美術大学美術館

女子美術大学美術館：日本の美術を彩る多様なコレクションと活動

女子美術大学美術館は、神奈川県相模原市と東京都杉並区にキャンパスを構える女子美術大学の付属美術館です。1967年の女子美術大学画廊開設以来、長きにわたり美術活動の拠点として機能し、現在では、大久保婦久子、片岡球子、郷倉和子といった著名な卒業生や教員の作品、そして女子美術大学と深く関わりのある美術作品を15,000点以上も収蔵しています。

特に、古代から現代までの世界の染織品を網羅したコレクションは、国内最大級規模を誇り、その充実ぶりは目を見張るものがあります。2009年には旧カネボウコレクションの一部を受け継いだことで、さらにコレクションの幅と深さが増し、多様な美術作品を後世に伝える役割を担っています。

相模原キャンパス：女子美アートミュージアム

相模原キャンパスにある「女子美アートミュージアム（JAM）」は、美術館の中核を担う施設です。古典美術から現代美術まで、幅広いジャンルの作品を展示し、年間十数回の特別展を開催することで、常に新鮮な企画を提供しています。

美術館では、専任の学芸員が常駐し、作品管理や展示企画に当たっています。また、「女子美術大学美術館収蔵作品賞」受賞作品は全て収蔵されており、本学の美術教育の成果を反映したコレクションとなっています。さらに、韮崎大村美術館との相互協力協定に基づき、美術資料の相互活用も行っています。

施設としての機能も充実しており、芸術学部や大学院美術研究科の演習施設、大学院美術研究科修了制作作品展の会場としても利用されています。

杉並キャンパス：女子美ガレリア ニケ

東京都杉並区の杉並キャンパスには、「女子美ガレリア ニケ」があります。1967年に開設された「女子美術大学画廊」を起源とするこのギャラリーは、2012年に「社会とつながる」をテーマにリニューアルされました。

女子美術大学卒業生を中心とした作家による展覧会を年間十数回開催するほか、社会実践的なアート活動、ワークショップ、シンポジウム、講演会など、多様なイベントを実施することで、地域社会との交流を深めています。

また、女子美オープンカレッジ作品展の会場、短期大学部・芸術学部の演習施設としても活用されています。

上海：Joshibi Art Gallery

女子美術大学美術館の活動は、日本国内にとどまりません。2012年には、日中国交正常化40周年記念事業として、上海の芸術家街「M50」に「Joshibi Art Gallery」を開設しました。

日本の美術大学が海外に常設ギャラリーを持つのは、これが初めての試みです。大学院生や卒業生、教員、そして海外アーティストの作品展示を通して、国際的な美術交流を促進しています。

女子美術大学歴史資料室

「女子美ガレリア ニケ」に併設されている女子美術大学歴史資料室は、女子美術大学の創立者である横井玉子、藤田文蔵、佐藤志津らの功績と、100年を超える歴史を紹介する貴重な資料を保管・展示しています。

まとめ

女子美術大学美術館は、単なる作品展示施設にとどまらず、教育・研究、地域社会との連携、そして国際交流という多様な活動を展開しています。充実したコレクションと活発な活動を通して、日本の美術文化の発展に大きく貢献していると言えるでしょう。

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