女子高生に殺されたい

『女子高生に殺されたい』は、古屋兎丸による日本の漫画作品です。2013年から2016年まで『ゴーゴーバンチ』で連載され、全14話で完結しました。古屋の画業20周年記念作品として発表され、その特異なテーマと衝撃的な展開が話題を呼びました。

物語の主人公は、高校教師の東山春人。彼は「美少女に殺されたい」という強烈な願望を抱いており、その願望はオートアサシノフィリアと呼ばれる性的嗜好であることを知ります。春人は、その願望を満たすために、綿密な計画を立てます。理学療法を専攻したのも、多重人格の少女、佐々木真帆と出会うためでした。真帆は、過去のトラウマから解離性同一性障害を抱えており、カオリとキャサリンという二つの人格を持っています。春人は、真帆が成長し、女子高生になる時を待ち、その高校に教師として赴任します。

春人は、文化祭での演劇を利用し、事故に見せかけて殺害される計画を立てます。しかし、それは単なる自殺ではなく、真帆の中の殺人人格キャサリンによって殺されることを望んでいました。計画を実行に移すため、春人は真帆の別人格を刺激し、キャサリンを呼び出そうとします。しかし、真帆の親友であるあおい達によって計画は阻止され、春人は首を絞められた後遺症で記憶を失い入院することになります。記憶を失った春人に対して、真帆は「先生が好きだった」と告白します。その言葉を聞いた春人の顔には、不気味な笑みが浮かびます。

登場人物
東山春人：女子高生に殺されたいという異常な願望を持つ二鷹高校の教師。9年もの歳月をかけて周到な計画を練ります。
深川五月：臨床心理士で、春人の元恋人。二鷹高校のスクールカウンセラーとして赴任し、春人と再会します。
佐々木真帆：二鷹高校の生徒。幼少期の虐待が原因で解離性同一性障害を抱え、カオリとキャサリンという二つの別人格を持っています。
カオリ：真帆の別人格の一つ。口は悪いが、強くて優しい性格です。真帆を守ろうとします。
後藤あおい：真帆の親友。アスペルガー症候群を抱えていますが、真帆とは気が合います。
川原雪生：真帆のクラスメイト。真面目で心優しい性格で、真帆のことを深く心配しています。

単行本は全2巻で発売され、2022年には新装版も刊行されました。また、2022年には実写映画化もされており、田中圭が春人役を演じました。この映画は、PG12指定で公開されました。

映画のスタッフ
監督・脚本：城定秀夫
音楽：世武裕子
主演：田中圭、南沙良

この作品は、人間の持つ異常な欲望や心理的な闇を描いた作品であり、読者に強烈な印象を与えます。また、パロディ作品としてアダルトビデオも制作され、話題を呼びました。

関連情報
オートアサシノフィリア：殺されることによって性的興奮を得る性的嗜好。
* 解離性同一性障害：多重人格とも呼ばれる精神疾患。一つの人格の中に複数の人格が存在する。

『女子高生に殺されたい』は、その衝撃的な設定と先の読めない展開で、多くの読者を魅了し続けています。

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