古屋兎丸

古屋兎丸について

古屋兎丸は、1968年1月25日生まれの日本の漫画家です。東京都出身で、多摩美術大学美術学部絵画科（油絵専攻）を卒業しています。

略歴

小学生の頃から手塚治虫の漫画通信講座を受講し、『少年キング』の似顔絵コーナーの常連でした。高校時代にはアングラな世界に興味を持ち、大学では油絵を専攻しましたが、演劇にも関わっていました。大学卒業後はアーティストを目指していましたが、漫画家への転身を決意。1994年、『月刊漫画ガロ』に掲載された「Palepoli」でデビューしました。その後、高校の美術講師をしながら漫画執筆を続け、初の週刊連載『π（パイ）』を機にフリーの漫画家となりました。

漫画以外にも、オムニバス映画『ZOO』の一篇「陽だまりの詩」の脚本・絵コンテ・キャラクターデザインを手がけたり、webサイト「ぽこぽこ」のスーパーバイザーを務めたりするなど、幅広い分野で活動しています。

人物

映画鑑賞、読書、散歩、バイクいじりを趣味としています。既婚者であり、2009年に結婚、2010年と2013年にそれぞれ第一子（長男）と第二子（長女）が誕生しています。

ラジオパーソナリティの伊集院光のファンであり、彼の番組内のコーナー「デビッド・リンチ占い」に影響を受けて『少年少女漂流記』を描いたほか、『π（パイ）』や『ライチ☆光クラブ』も伊集院の影響を受けています。2007年には、買い物の際に伊集院光に遭遇し、握手をしてもらったエピソードがあります。その際、伊集院が既に『少年少女漂流記』を読んでいたことに驚き、感動したそうです。

過去のアシスタントにはイラストレーターのD[diː]がいます。また、短篇集『ショートカッツ』の企画では、漫画家・大友克洋の息子である大友昇平（SHOHEI）が参加しています。

2014年4月から作画の効率化のためにフルデジタル作画に移行しましたが、その後体調不良に悩まされ、自律神経失調症と診断されました。デジタル作画が原因と考え、アナログとデジタルを併用するスタイルに戻したところ、体調が改善しました。

『ガロ』時代の担当編集者であった白取千夏雄とは、現在も非常に親密な関係にあり、「永久担当」と呼ぶほどの信頼を寄せています。

作風

多彩な画風と繊細で正確な描き込み、ブラックな作風を得意としています。初期の作品にはメタフィクションやパロディ、エロティシズムの要素が多く見られました。

執筆作業は腰痛防止のため立って行い、デジタルとアナログの両方を駆使しています。ネームやアタリはデジタルで行い、紙に下書きを写してペン入れをします。丸ペンや鉛筆を使用し、仕上げはデジタルで行っています。

作品リスト

書籍

『Palepoli』（青林堂 1996年）
『Garden』（イースト・プレス 2000年）
『Wsamarus 2001』（イースト・プレス 2000年）
『プラスチックガール』（河出書房新社 2000年）
『新装版 プラスチックガール』（河出書房新社 2016年）
『Marieの奏でる音楽』（幻冬舎 2001年） 全2巻
『Marieの奏でる音楽』（太田出版 2016年）全1巻
『自殺サークル』（ワンツーマガジン社　2002年） 全1巻
『自殺サークル』（太田出版 2008年）全1巻
『ショートカッツ』（小学館 2003年） 全1巻
『π（パイ）』 （小学館、2003年 - 2005年） 全9巻
『鈍器降臨』（メディアファクトリー 2004年）
『ハピネス』（小学館 2006年） 全1巻
『ライチ☆光クラブ』（太田出版 2006年） 全1巻
『彼女を守る51の方法』（新潮社 2006年 - 2007年） 全5巻
『少年少女漂流記』（集英社 2007年） 小説家・乙一とのコラボレーションで、共同P.Nは「古屋×乙一×兎丸」。
『少年少女漂流記』（集英社文庫 2010年）
『Flowers』（アスペクト 2008年）画集
『インノサン少年十字軍』（太田出版 2008年 - 2012年） 全3巻
『幻覚ピカソ』（集英社 2009年 - 2010年） 全3巻
『人間失格』（新潮社 2009年 - 2011年） 全3巻
『ぼくらの☆ひかりクラブ』（太田出版 2011年 - 2012年） 全2巻
『帝一の國』（集英社 2011年 - 2016年） 全14巻
『禁じられた遊び　古屋兎丸初期短篇集』（イースト・プレス 2015年）
『女子高生に殺されたい』（新潮社 2015年 - 2016年） 全2巻、新装版全1巻
『少年たちのいるところ』（新潮社 2017年） 全1巻
『アマネ†ギムナジウム』（講談社 2017年 - 2020年） 全7巻
『ルナティックサーカス』（『月刊コミックバンチ』、2020年10月号 - 2022年11月号）既刊3巻、第一部完
『図書委員界』（『月刊コミックバンチ』、2022年2月号 - 2022年4月号、原作：生駒里奈） 全1巻

映画

ZOO「陽だまりの詩」（2005年、東映ビデオ、原作：乙一、監督：安藤尋） - 脚本・絵コンテ・キャラクターデザイン
いちばんきれいな水（2006年、日活、監督：ウスイヒロシ） - 原作『いちばんきれいな水』
キャラクター（2021年、東宝） - 劇中漫画（本庄）

配信ドラマ

ONE SHOT CINEMA「ショートカッツ」実写版（2004年、小学館、配信：AII） - 原作『ショートカッツ』

その他

POPくん（2008年1月9日 - 2012年4月25日、読売新聞（夕刊）） - 連載。
推しが死んだ朝（『ビッグコミックオリジナル』2024年5号 - 2024年8号） - 同誌創刊50周年記念集中連載。
日々、推す（『ビッグコミックオリジナル』2024年21号、2024年22号）

装画・挿絵

森見登美彦『四畳半王国見聞録』（2011年、新潮文庫）
白取千夏雄『全身編集者』（2019年、おおかみ書房）

メディア出演

紀子の食卓（2006年、アルゴ・ピクチャーズ） - 喫茶店の男 役
愛のむきだし（2009年、ファントム・フィルム） - ミヤニシ 役
浦沢直樹の漫勉 （2016年3月24日、NHK Eテレ）

外部リンク

ウサギ☆ひとりクラブ - 古屋兎丸によるブログ
* 古屋兎丸 (@usamarus2001) - X（旧Twitter）

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