中等学校令

中等学校令について

中等学校令（ちゅうとうがっこうれい）は、1943年1月21日に公布された日本の教育に関する重要な法令であり、昭和18年の時点では日本の中等[[教育]]機関の制度を新たに規定しました。この法令の施行は1943年4月1日であり、これにより旧来の中学校令、高等女学校令、実業学校令は廃止されることとなりました。

制定の背景と目的

中等学校令の制定は、戦時下における教育の質を向上させることを目的としていました。この法令では、国民に対して高等普通教育や実業教育を通じた錬成を図り、「皇国の道に則った」教育を実現しようとしました（第1条）。これにより、これまで異なる法令で規定されていた中学校と高等女学校、実業学校が一つに統一され、効率的で一貫性のある中等[[教育]]の実施が求められました。

中等学校の種類

中等学校令の下では、次のような教育機関が設計されました：

• - 中学校：男子向けに高等普通教育を提供。
• - 高等女学校：女子向けに高等普通教育を提供。
• - 実業学校：実業教育を展開し、さらに農業学校、工業学校、商業学校、商船学校、水産学校、拓殖学校などの種別が存在しました。

これらの学校は全て、地方自治体などの設置者により運営され、設置や廃止の認可は文部大臣により行われました。

修業年限と入学資格

中等学校における修業年限は通常4年と定められましたが、高等女学校は2年、実業学校は男子3年、女子2年に短縮が可能でした。入学資格も設定され、4年課程には国民学校初等科修了者（12歳以上）が、3年または2年課程には国民学校高等科修了者（14歳以上）が求められました。さらに、必要に応じて夜間課程も開設され、男女ともに異なる修業年限が設定されました。

教育内容と卒業生向けプログラム

中等学校令には、卒業者を対象にした追加の課程を設置することも可能で、中学校卒業者には実務科を設けることができ、高等女学校卒業者には高等科、専攻科、実業学校卒業者には専攻科を設置することが認められていました。これは柔軟な教育の提供を目指し、卒業後も多様な進路選択を支援するためです。

教材と授業料

中等学校では、教科書は原則として文部省が著作権を持つものを使用し、授業料は徴収されることが許可されていました。

改正と廃止

1946年2月23日、太平洋戦争の終結を受けて中等学校の修業年限が見直されました。夜間課程を除き、標準で5年とされました。ただし、高等女学校と実業学校の修業年限は3年になる特例が適用されました。この中等学校令は、1947年4月1日、学校[[教育法]]の施行に伴い廃止されました。

結論

中等学校令は、日本の教育制度の歴史に大きな影響を与え、その後の教育方針や学校の構造に深い足跡を残しました。この法令は、戦時中の教育制度を一新する役割を果たしましたが、戦後の新たな教育体系へとつながる重要な基盤を築く役割を担ったのです。

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