女学生探偵シリーズ

女学生探偵シリーズ

『女学生探偵シリーズ』は、KADOKAWAアスキー・メディアワークスから刊行されている、てにをはによるライトノベル作品群です。東京を舞台に、一風変わった女子高生探偵と偏屈な推理作家が織りなす、コミカルで本格的なミステリーが展開されます。

概要

シリーズは、デビュー作『女学生探偵と偏屈作家 ─古書屋敷殺人事件前夜─』から始まりました。主人公の女子高生・花本ひばりが、様々な事件に首を突っ込み、あるいは巻き込まれ、それを偏屈な推理作家である久堂蓮真が解決するというのが基本的な構成です。素人探偵を気取るひばりと、安楽椅子探偵である久堂の、ユーモラスな掛け合いが大きな魅力となっています。

各作品は殺人事件の解決を主要なテーマとしていますが、ホラーやオカルトといった要素も含まれており、独特な世界観を醸し出しています。また、元々がVOCALOID楽曲（ボカロ曲）から派生した作品であるため、音楽的な要素や、楽曲の世界観が色濃く反映されている点も特徴です。

2015年には、シリーズの一編である『明尾高屋上投身事件 －女学生探偵シリーズ－』が笹原智映によって漫画化され、ComicWalkerで連載されました。

シリーズ作品一覧

女学生探偵と偏屈作家 ─古書屋敷殺人事件前夜─
古書屋敷殺人事件 ─女学生探偵シリーズ─
アルラウネの独白 ─女学生探偵シリーズ─
能面島神隠し事件 ─女学生探偵シリーズ─

各作品について

女学生探偵と偏屈作家 ─古書屋敷殺人事件前夜─

明尾高屋上投身事件、探偵暇潰遊戯、両国幽霊屋敷殺人事件の3編を収録。文化祭準備中の高校で起こる屋上からの転落事件、古書店での古書選びゲーム、両国での殺人事件など、様々な事件にひばりが巻き込まれます。

古書屋敷殺人事件 ─女学生探偵シリーズ─

ひばりは古書店主の枯島に同行し、東京近郊の山奥にある古書屋敷を訪れます。そこでは、古書をめぐる連続殺人事件が発生し、ひばりたちは事件の真相に迫ることになります。

アルラウネの独白 ─女学生探偵シリーズ─

推理作家は夜走る、アルラウネの独白、雪宿りの作法の3編を収録。久堂の浮気を疑って尾行するひばり、高校演劇部を舞台にした呪いの謎、大学生時代の久堂と幼いひばりの出会いなどが描かれます。

能面島神隠し事件 ─女学生探偵シリーズ─

秘祭で知られる能面島を訪れたひばりたちは、島に残る旧帝国軍部の極秘計画を知り、宿敵・大鴉との戦いを繰り広げながら、事件の真相を追います。

主な登場人物

花本ひばり（はなもと ひばり）: 私立明尾高校に通う、推理小説好きの女子高生。喫茶店を経営する父親の店から、久堂のもとにコーヒー豆を届けるのを日課としています。
久堂蓮真（くどう れんま）: 偏屈な性格の、売れない推理作家。ひばりの話を聞くだけで事件の真相を見抜く、「安楽椅子探偵」です。
* 枯島宗達（かれしま そうたつ）: 神田神保町で古書店「穀雨堂」を営む、久堂の大学の後輩。久堂の執筆に必要な資料本を調達することもあります。

制作背景

本作は、てにをはが制作したVOCALOID楽曲『女学生探偵シリーズ』の世界観を、作者自身が小説化したものです。楽曲制作時から、物語の構想は練られており、小説版では、より深く、より詳細な世界観が描かれています。ノベライズに先駆け、関連情報が雑誌掲載やニコニコ動画での連載を通して公開されていました。

メディア展開

シリーズは小説の他に、漫画化もされています。笹原智映によってコミカライズされた『女学生探偵と偏屈作家 ─明尾高屋上投身事件─』は、ComicWalkerで連載されました。

また、COMIC@LOIDによる展覧会「ボカロ曲進化展～ボカロ曲が漫画と小説になるまで～」では、本シリーズがメディアミックス作品となる過程が紹介されました。

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