好きなのさ

「好きなのさ」は、1987年3月21日に日本コロムビアから発売された、美空ひばりのシングルです。作詞は石本美由起、作曲は市川昭介、編曲は池多孝春が担当しました。

この曲がリリースされるまで、美空ひばりの楽曲はカラオケでのレコーディングが主流でしたが、次作の「みだれ髪」からは同時録音方式に戻されています。そのため、「好きなのさ」は、カラオケ録音期における最後の作品の一つとして、その過渡期を象徴する楽曲と言えるでしょう。

また、この曲が発表された時期は、美空ひばりが体調を崩し、入退院を繰り返していた時期でもあります。入院2週間前の1987年4月7日には、日本テレビの「コロムビア演歌大行進」の収録に参加し、細川たかしと島倉千代子に支えられながら登場し、「三百六十五夜」「リンゴ追分」「愛燦燦」と共にこの「好きなのさ」を披露しました。この時の映像は、彼女の晩年の貴重な記録として残されています。

さらに、「好きなのさ」のカラオケ本人映像は、1988年11月28日に撮影されました。この映像では、「真赤な太陽」「残侠子守唄」「ひばりの佐渡情話」「越後獅子の唄」と共に、当時の美空ひばりの姿を見ることができます。現在でもDAMで配信されており、多くの人々が彼女の歌唱と映像を楽しんでいます。

「好きなのさ」のカップリング曲は「酒は男の子守唄」です。こちらも作詞は石本美由起、作曲は市川昭介、編曲は池多孝春が担当しています。

このシングルは、美空ひばりの音楽キャリアの中でも、特に晩年の彼女の歌唱を記録した重要な作品として位置づけられます。「好きなのさ」は、彼女の歌声の魅力を改めて感じさせてくれる一曲であり、多くのファンに愛され続けています。

関連事項として、この楽曲は1987年の音楽シーンを語る上で欠かせない一曲であり、当時の流行や社会情勢を反映した作品とも言えるでしょう。

「好きなのさ」は、美空ひばりの数々の名曲の中でも、特にその歌唱力と表現力が際立つ作品の一つです。彼女の歌声は、時代を超えて多くの人々の心を魅了し、今もなお、その輝きを失っていません。

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