好奇心は猫を殺す (映画)

『好奇心は猫を殺す』

『好奇心は猫を殺す』は、中国の映画監督・脚本家、張一白（チャン・イーバイ）による2006年の作品であり、日本では公開されていません。この映画は、張の出身地である重慶市を舞台にした「重慶三部曲」の第1作目として位置づけられています。原題『好奇害死猫』は、「好奇心は猫を殺す」というイギリスのことわざに由来しており、自らの好奇心が生死に関わる結果を招く可能性を示唆しています。

映画は、4つの異なるパートで構成されており、それぞれのパートに5人の中心人物が登場します。物語はサスペンスに満ちた不倫劇を描きながら、徐々に核心に迫る展開を見せます。その中で夫婦関係や社会の格差、地方都市に住む人々の孤独感や渇望も描かれており、現代中国の社会を反映しています。

ストーリーの展開

舞台は重慶の高級マンションです。このマンションの1階にある写真店で働く陌陌（モモ）は、仕事として現像した写真を住人たちに届ける毎日を送っています。ある日、陌陌の目の前に新たにネイルサロンを開店する女性、梁暁霞（リャン・シャオシャー）が現れます。彼女は、このマンションに住む鄭重（チェン・ジョン）の愛人であることに、陌陌はすぐに気づくことになります。

鄭重の妻である千羽（チェンユー）は、幼い息子・小白（シャオバイ）との生活に追われながら、バラの手入れを趣味とし平穏な日々を送っていましたが、周囲の人々との微妙な関係性が次第に明らかになります。千羽の周囲では奇妙な出来事が相次ぎ、鄭重はこれらが全て、秘められた愛人との関係に由来するものだと葛藤に苦しむことになります。

また、好奇心から、陌陌は携帯電話のカメラで鄭重と梁暁霞の秘密を盗み撮りすることに夢中になり、マンションのガードマンである劉奮斗（リウ・フェンドウ）と親しい関係を築き始めます。この新たな関係もまた、物語の展開に大きな影響を及ぼすこととなります。

物語が進むにつれて、鄭重と千羽はさらなる厄災に見舞われ、その背後に潜む真実や人間関係の複雑さが浮かび上がってきます。好奇心が招く予期せぬ結果を通して、登場人物たちの人間ドラマが展開し、視聴者を惹き込むことでしょう。

キャスト

• - 千羽 - 劉嘉玲 （カリーナ・ラウ）
• - 鄭重 - 胡軍 （フー・ジュン）
• - 劉奮斗 - 廖凡 （リャオ・ファン）
• - 梁暁霞 - 宋佳 （ソン・ジア）
• - 陌陌 - 林園 （リン・ユエン）
• - 小白 - 馬千里 （マー・チェンリー）

受賞歴

この映画は、2007年に中国金鶏百花奨で主演女優賞を受賞したほか、上海影評人奨でも優秀国産映画として評価されています。また、2006年度娯楽大典では、主演男優賞、主演女優賞、助演女優賞といった数々の賞にノミネートされ、特に主演の劉嘉玲と胡軍の演技が高く評価されました。

ディストリビューション

『好奇心は猫を殺す』は、日本では2010年3月3日にDVDとして発売されており、皆様もこの作品を手に取ることが可能です。

映画の深層に迫る様々な要素が詰まった『好奇心は猫を殺す』は、現代社会に潜む人間の欲望や葛藤を見事に描き出しており、多くの観客に感動を与える作品です。

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