好村兼一

好村 兼一について

好村兼一（よしむら けんいち、1949年生まれ）は、日本の作家であり剣道家としても知られています。彼は教士八段の段位を持ち、その剣道の技術と精神性を通じて文化の橋渡しをしています。東京大学を中退し、フランスに住む彼は、合格率が1%という難関を突破し、海外在住者として初めての剣道八段合格者となりました。剣道の指導を行う傍らで、40代半ばから執筆活動を開始し、独特の経歴を経て作家としてのキャリアを築きました。

経歴の詳細

東京都で生まれた好村は、東京都立西高等学校を卒業後、1970年には東京大学教養学科で国際関係論を学んでいました。しかし、20歳のときに全日本剣道連盟派遣学生指導員としてフランスに渡り、その後は大学を中退し、パリに在住。フランス剣道連盟では顧問および師範を務め、ヨーロッパにおける剣道の普及と振興に力を注いでいます。1978年には貿易会社を設立し、商業活動にも関わりました。

文学への転身

剣道の指導や普及に尽力する一方で、好村は40代半ばから文学に興味を持ち始め、時代小説の執筆を開始しました。何度か新人賞に応募の後、彼は2007年に『侍の翼』で晴れてデビューを果たしました。この作品は好村の作品の中でも特に評価が高く、後に文庫版も出版されています。以降、彼はさまざまな著書を出版し、時代小説の分野で確固たる地位を築いています。

主な著書

好村兼一の著書には以下のような作品があります：

• - 論考

- 『Les Japonais et le sabre』 (Typografica社、1998年2月)
- 『剣道再発見 剣道の「深み」を求める稽古法』 (スキージャーナル、2007年1月)

• - 歴史時代小説

- 『侍の翼』 (文藝春秋、2007年11月、のち文庫入り)
- 『伊藤一刀斎』 (廣済堂あかつき、2009年9月、のち文庫入り)
- 『青江の太刀』 (光文社、2009年11月、のち文庫入り)
- 『行くのか武蔵』 (角川学芸出版、2010年2月)
- 『武蔵 円明の光』 (角川学芸出版、2010年12月)
- 『神楽坂の仇討ち』 (廣済堂あかつき、2011年4月)
- 『影と胡蝶 陰流開祖愛洲移香伝』 (光文社、2012年9月、のち文庫入り)
- 『兜割源三郎シリーズ 玄冶店密命始末』 (講談社文庫、2014年11月)
- 『いのち買うてくれ』 (徳間書店、2016年5月、のち文庫入り)

彼の作品は、日本の歴史や剣道に関する深い洞察を持っており、多くの読者に感銘を与えています。好村兼一は剣道家としての才能を生かしながら、文学の世界でもその名を広めています。

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