妖女の時代

映画『妖女の時代』について

『妖女の時代』は、1988年に公開された日本のミステリー映画です。遠藤周作の小説『妖女のごとく』を原作とし、大森一樹が脚本、長崎俊一が監督を務めました。音楽は本多俊之が担当し、主演は名取裕子が務めています。また、片岡鶴太郎が第12回日本アカデミー賞で最優秀助演男優賞を受賞したことでも知られています。

あらすじ

物語は、御曹司の柳沢徹が、麻酔医の大河内葉子に一目惚れするところから始まります。結婚を考えていた柳沢は、葉子の身辺調査を、親しい関係にある製薬会社の元社員・辰野吾郎に依頼します。病院内での葉子の評判は良いものの、辰野は、ある日、葉子が麻酔で相手を朦朧とさせた上でSMプレイに興じている姿を目撃してしまいます。

その後、辰野は葉子の双子の姉である精神科医・宮沢裕子と出会い、葉子が解離性同一性障害であることを知らされます。しかし、その直後、葉子が関与したと思われる殺人事件が発生し、辰野は裕子の夫である宮沢義助に話を聞きますが、今度は裕子が解離性同一性障害であり、葉子は無実だと告げられます。

混乱する辰野でしたが、彼の恋人である仲田君子が裕子に誘拐されてしまいます。辰野は葉子と共に裕子の屋敷に乗り込み、騒動の末、葉子が裕子を殺害。事件は解決したかに見えました。しかし、捜査を担当した犬丸刑事は、本当に生き残ったのは葉子なのかと疑問を抱きます。そして、アメリカの新しい病院に裕子が赴任していたという事実が判明し、物語は更なる謎を残して幕を閉じます。

登場人物

大河内葉子 / 宮沢裕子: 名取裕子
本作のヒロインであり、物語の鍵を握る人物。双子の姉妹であり、それぞれ麻酔医と精神科医として働いている。解離性同一性障害を抱えている。

辰野吾郎: 片岡鶴太郎
製薬会社の元社員で、葉子の身辺調査を依頼される。物語を通して、事件の真相を追う。

仲田君子: 賀来千香子
辰野の恋人。物語後半で裕子に誘拐される。

柳沢徹: 小西博之
御曹司。葉子に一目惚れし、辰野に身辺調査を依頼する。

宮沢義助: 蟹江敬三
裕子の夫。

犬丸素造: 田中邦衛
事件を捜査する刑事。ラストシーンで事件の真相に疑問を抱く。

その他出演者

沖田浩之、出光元、山田辰夫、大林丈史、桑原征平、岡本麗、室井滋、内藤剛志など、豪華な俳優陣が脇を固めています。

作品の魅力

『妖女の時代』は、複雑な人間関係と二転三転する衝撃的な展開が魅力の作品です。解離性同一性障害というテーマを扱いながら、ミステリーとしての面白さを追求しています。名取裕子の二役を演じる演技力や、片岡鶴太郎のコミカルな演技も見どころです。また、音楽を担当した本多俊之の、作品の雰囲気を盛り上げる音楽も高く評価されています。

受賞歴

第12回日本アカデミー賞 最優秀助演男優賞（片岡鶴太郎）

外部リンク

妖女の時代 - 映画.com

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