妹ゲー

妹ゲーとは

「妹ゲー」とは、妹が恋愛対象の主要登場人物となるギャルゲーやアダルトゲームの総称です。禁断の愛をテーマに、多くの作品が制作されてきました。ここでは、妹ゲーの歴史、特徴、そして倫理的な側面について詳しく解説します。

歴史

妹を恋愛対象とする作品は、ギャルゲー普及以前の1980年代から存在していました。漫画『みゆき』やアダルトアニメ『くりいむレモン』などがその先駆けとして知られています。これらの作品では、血縁関係にある兄妹の葛藤が描かれていましたが、恋愛関係に重点が置かれていました。

アダルトゲームにおける「妹萌え」の原点は、1995年発売の『同級生2』の鳴沢唯とされています。しかし、当時の厳しい規制により、義理の兄妹であっても性交渉の描写は許されませんでした。その後、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』が倫理規定の観点から問題視され、アダルトゲーム業界における家族間恋愛の追求は一時停滞しました。

一方、家庭用ゲーム業界では『ときめきメモリアル』によって恋愛と萌えに特化したギャルゲーの手法が確立され、1999年にはヒロイン全員を妹キャラクターとした企画『シスター・プリンセス』が大ヒットしました。この妹ブームを受け、ソフ倫が義兄妹間の性描写を許諾するようになり、アダルトゲームにも「妹萌え」が還流し、『みずいろ』や『妹でいこう!』などの作品が次々と発売されました。

しかし、大量生産によるマンネリ化が進み、明るい世界観では描ききれない表現の可能性を求めて、陵辱描写のある作品も登場しました。現実的要素を導入した『恋風』のような作品も現れましたが、観念として飽和し、ブームは終息したとの見方もあります。2004年にはソフ倫の規程が再改定され、実の兄妹間の性描写を含むゲームも制作されるようになりました。

2016年には『ワガママハイスペック』が萌えゲーアワード大賞を受賞し、実妹ヒロインのゲームが一定の人気を保っていることを示しました。

概説

インセスト・タブーにより、本来妹は恋愛対象にはなりませんが、ギャルゲーではヒロインとなり得ます。主人公の実妹とは限らず、義理の妹や親戚、幼なじみなど、広義の妹キャラクターが存在します。これは、近親恋愛を戒める倫理規定の下で妹をヒロインにするための方便でもあります。

初期のギャルゲーでは、主人公がヒロインから好意を寄せられるという設定が多かったものの、リアリティに欠けるため廃れました。その後、ヒロインを宇宙人やロボットのようなファンタジックな存在とし、平凡な主人公でも愛してくれる理由づけをする作品が普及しました。しかし、より身近な無条件の愛をくれる存在として、家族がヒロインの題材に求められるようになったのです。

女性家族構成員の中で妹が取り上げられる理由は、年少であることから無垢性や処女性を期待させやすく、純度の高い神性を付与しやすいからです。また、母を相手にする際のエディプス・コンプレックスに陥る心配もありません。近親でありながら幼年でもあるという二重の禁忌を犯すことで、背徳感との摩擦による昂揚を生みやすいとも考えられます。

妹キャラクターは純真無垢とは限らず、兄を翻弄して破滅に導くファム・ファタールの役割を担うこともあります。これは、年長者に攻撃性を付与すると強くなりすぎて愛の対象とする余地がなくなるため、妹であれば甘美な死に至ることができるという考え方に基づいています。

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