妻駅

妻駅の歴史と概要

妻駅（つまえき）は、宮崎県西都市大字妻に位置し、かつて日本国有鉄道（国鉄）の妻線に属していた駅です。この駅は、1914年に宮崎県営鉄道の一部として開業され、長い歴史を持っています。国有化を経て、1944年には営業休止となるものの、1947年に営業が再開されました。

歴史的な発展

妻駅は、1914年4月26日に宮崎県営鉄道の一般駅としてスタートしましたが、1917年に国有化に伴い鉄道院妻軽便線（後の妻線）の駅となりました。1922年には杉安駅との間が延伸され、駅の重要性が増しました。しかし、1944年には戦争の影響で営業が休止されましたが、戦後まもなくの1947年に再開され、地元の人々にとって再び重要な交通拠点として機能しました。

1971年には貨物取り扱いが廃止され、1984年2月には荷物の取り扱いも終了しました。年末の12月1日には妻線全線が廃止され、妻駅もその歴史の幕を閉じることとなりました。

駅の構造

妻駅の構造は、廃止時点で片側のみを使用する1面の島式ホームと1線を備えた委託駅でした。行き違いの設備も残っていたため、かつては多くの列車が行き交っていたことが伺えます。駅周辺には当時の賑わいを想像させる商業施設も存在していました。

周辺環境

駅の近隣は西都市の中心市街地であり、国鉄バスの妻自動車営業所も駅に隣接していました。このバス路線は、日肥線を通じて湯前駅まで結んでおり、交通の要所としての役割を果たしていました。 地域の生活や商業活動を支えた妻駅は、ただの交通機関以上の重要性を持っていました。

妻駅と入場券の文化

妻駅には「妻の入場券」という人気のある入場券があり、特に鉄道ファンの間で有名でした。この入場券の存在を広めたのは、歌手の山口百恵です。1980年に彼女のファンが妻駅の入場券をプレゼントしたことがきっかけで、人気テレビ番組『ザ・ベストテン』で取り上げられ、入場券は瞬時に注目を集めました。この結果、わずか1年間で約10万枚も売り上げられ、これは20年間分の売上に相当します。妻駅の入場券がこれほどの人気を博したのは、地域にとっての大きな出来事でした。

隣駅

妻駅は妻線の途中に位置し、隣には黒生野駅と穂北駅がありました。これらの駅も地域の交通網の一翼を担っており、妻駅と一緒に多くの人々に利用されていました。

このような背景を持つ妻駅は、単なる交通の便宜を超えて、地域の文化や歴史に深く根ざした存在でした。現在は廃駅となってしまいましたが、その存在は今でも多くの鉄道ファンや地域の住民にとって心に残り続けています。

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