姚枢

姚枢の生涯と功績

姚枢（よう すう、1200年 - 1280年）は、モンゴル帝国の重要な官僚の一人で、特にクビライに仕えた漢人の参謀として知られています。彼は字を公茂、号を雪斎とし、営州柳城県に生まれました。彼の家系は金朝に仕官していたことがあり、父は金朝の許州で判官を務めた姚淵です。若い頃から文学的な才能を発揮し、その声望は高まりました。

モンゴル帝国への仕官

姚枢は、1233年に楊惟中の推薦を受けてモンゴル帝国に仕官し、その後、クビライに仕えることになります。初期には目立った功績がなかったものの、金朝や南宋の文学者たちの保護を行っていました。1241年には一時的に失脚するなど困難な時期を迎えますが、オゴデイの死後、漢人が排斥される中で彼は持ちこたえました。

モンケが即位すると、姚枢はクビライの側近として活動を開始し、彼の指導の下で多くの軍事作戦に参加します。大理遠征や南宋遠征では、彼の参謀としての提言が功を奏し、モンゴル帝国の拡大に寄与しました。

元朝の設立への貢献

モンケの死後、姚枢はクビライを支持し、元朝の設立における多くの重要な施策を推進しました。彼は既得権力者の廃止、新しい州県制度の導入などを提案し、国家の制度を改革することに貢献しました。1268年から始まる南宋に対する大規模な遠征においても、彼はクビライに多くの有益な提言を行いました。

特に、日本への遠征や陳朝への遠征などでは、彼の策略が重要視され、クビライからも厚い信任を受けていました。彼の死後まもなく、日本遠征が失敗した際には、「師が生きていれば、うまくいっていたのではないか」と惜しまれるほどでした。

戦略的提言

姚枢の知恵は軍事戦略にも及びました。大理遠征では、彼は北宋の武将、曹彬の南唐攻略の先例を引き合いに出し、無血開城を提案しました。この提案は他の武将たちから反対される一方で、クビライは彼を支持し、結果として彼の提案が実現しました。使用者は殺されるという事態が起こりましたが、姚枢は冷静さを保ち、民衆に降伏を呼びかけ続けた結果、無駄な流血を避けることができました。

また、南宋の攻略においても無益な殺生を避けるよう提言し、実際に遠征軍は戦闘を最小限に抑え、勝利を収めました。これにより、姚枢の策は多くの人命を救い、モンゴル軍の道義的イメージの向上にも貢献しました。

遺産と評価

姚枢は1280年に亡くなり、享年81でした。彼の死後、元朝から多くの栄誉を称えられ、功績が評価されました。彼の影響はその後の中国歴史にも色濃く残り、彼の提言や方針は今なお多くの人に語り継がれています。彼は政治や軍事において優れた洞察力を持ち、非常に重要な役割を果たした人物と言えるでしょう。

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