姫松村

姫松村（ひめまつむら）

姫松村は、かつて宮城県栗原郡の中部に位置していた村です。その歴史は、明治時代に始まり、昭和30年まで続きました。現在の栗原市の一部、具体的には栗駒泉沢、栗駒芋埣、栗駒嶺崎、栗駒渡丸、栗駒片子沢、そして一迫の一部（狐沢、北沢、片子沢）にあたる地域が、かつての姫松村の領域でした。

歴史

村の成立

姫松村の歴史は、明治8年（1875年）の村落統合に端を発します。この時、水沢県主導のもと、周辺の村々が合併し、新たな村が誕生しました。

泉沢村、芋埣村、嶺崎村、渡丸村が合併し、宝来村が成立。
狐沢村と真坂村の一部（端郷北沢村）が合併し、王沢村が成立。

これらの村は、明治22年（1889年）の町村制施行に伴い、さらに統合されることになります。宝来村、王沢村、片子沢村の3つの村が合併し、姫松村が誕生しました。この合併により、姫松村は新たな歴史を歩み始めることとなりました。

昭和の合併と村の消滅

姫松村の歴史は、昭和30年（1955年）に終焉を迎えます。この年、姫松村は周辺町村との合併により解体しました。

旧宝来村と片子沢村の領域（14.5平方km、2,485人）は、岩ヶ崎町、尾松村、栗駒村、鳥矢崎村、文字村と合併し、栗駒町となりました。
旧王沢村の領域（15.01平方km、1,980人）は、一迫町、金田村、長崎村と合併し、新制の一迫町となりました。

これにより、姫松村は地図からその名が消え、それぞれの地域は新たな町として再編されました。

行政

姫松村には、村長が置かれ、村の行政を担っていました。歴代村長の名前は記録に残っていますが、詳細な情報は限られています。

人物

姫松村出身の著名な人物として、後藤房之助が挙げられます。彼は、八甲田雪中行軍遭難事件での生存者として知られています。後藤房之助は、姫松村の出身で、後に村会議員も務め、地域社会に貢献しました。彼の生還は、当時大きなニュースとなり、姫松村の名を広く知らしめることとなりました。

参考文献

姫松村に関する歴史的な情報は、以下の文献で確認することができます。

『宮城県町村合併誌』（宮城県地方課、1958）

関連項目

宮城県の廃止市町村一覧

姫松村は、短い期間ながらも、その地域に住む人々の生活と歴史を育んできました。現在では、その名前は地図上から消えましたが、地域住民の記憶の中には確かに存在しています。合併により、その地域は新たな町の一部となり、それぞれの歴史を刻み続けています。この地域を訪れる際には、かつて姫松村という村があったことを思い起こし、その歴史に触れてみてください。

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