学びの多様化学校

学びの多様化学校は、不登校の児童生徒や、発達障害などにより従来の学校教育になじめない生徒に対して、特別な教育課程を編成して教育を行う学校です。これは、学校教育法施行規則に基づき設置され、不登校の生徒に対する学習機会の確保を主な目的としています。

従来の教育システムでは、不登校の生徒はフリースクールを選択したり、発達障害を持つ生徒は特別支援学校への進学を選ぶことが一般的でした。しかし、これらの選択肢では、高等学校の卒業資格が得られない場合が多く、進学や就職において不利になる可能性がありました。

学びの多様化学校は、これらの問題を解決するために、学校教育法規に基づき設置されています。これにより、生徒は高等学校の卒業資格を得ることができ、進学や就職への道が開かれます。これは、不登校の生徒にとって、将来の選択肢を広げる上で非常に大きなメリットとなります。

文部科学省は、2023年から5年後までに、すべての都道府県や政令指定都市に不登校特例校を設置する計画を立てています。将来的には、全国で300校の設置を目指しており、不登校の生徒へのサポート体制を強化していく方針です。

学びの多様化学校は、単独の学校施設だけでなく、既存の学校内に教室や分教室、分校を設置するケースもあります。以下に、現在設置されている学びの多様化学校の例を挙げます。

公立の学びの多様化学校

宮城県
富谷市立富谷中学校
白石市立白石南小学校・白石南中学校
東京都
世田谷区立世田谷中学校
大田区立御園中学校
大田区立大森第四小学校
八王子市立高尾山学園
調布市立第七中学校
神奈川県
大和市立引地台中学校
岐阜県
岐阜市立草潤中学校
北方町立北学園
高山市立宮中学校
京都府
京都市立洛風中学校
京都市立洛友中学校
大阪府
大阪市立心和中学校
奈良県
大和郡山市立郡山北小学校
大和郡山市立郡山中学校
広島県
福生市立福生第一中学校
香川県
三豊市立高瀬中学校
福岡県
大牟田市立宅峰中学校
大分県
玖珠町立学びの多様化学校
宮崎県
延岡市立南浦中学校

私立の学びの多様化学校

北海道
星槎もみじ中学校
宮城県
ろりぽっぷ学園小学校
東京都
東京シューレ葛飾中学校
東京みらい中学校
東京シューレ江戸川小学校
NHK学園高等学校
神奈川県
星槎中学校・高等学校
岐阜県
西濃学園中学校・高等学校
愛知県
星槎名古屋中学校
大阪府
精華高等学校
兵庫県
生野学園中学校・高等学校
岡山県
岡山県美作高等学校
鹿児島県
鹿児島城西高等学校

学びの多様化学校は、不登校の生徒が安心して学習に取り組める環境を提供し、卒業後の進路を支援する重要な役割を担っています。学校選びの際には、生徒の個別の状況やニーズを考慮し、最適な学校を選ぶことが大切です。

関連情報

ホームスクーリング: 学校に通わず、家庭で教育を行う形態。
不登校と発達障害: 不登校の背景には、発達障害が関係している場合もあります。学校は発達障害を持つ児童への「合理的配慮」が義務付けられています。

外部リンク

学びの多様化学校（いわゆる不登校特例校）について - 文部科学省
学びの多様化学校（いわゆる不登校特例校）の設置者一覧 - 文部科学省

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