学位令

学位令（がくいれい）について

概要

学位令は1887年から1947年までの期間において、日本の学位制度を統一的に取り決めた重要な勅令です。この法律は、学問の場での評価制度としての意義を持ち、教育制度の発展に寄与しました。学位令は、何度かの改正を経て、博士および大博士の学位を定め、学位授与に関する具体的な基準や手続きを規定しました。

学位令の成立と内容

最初に制定された学位令（明治20年勅令第13号）は、1887年5月21日に公布されました。この初期の令は、以下の5つの項目から構成されていました。
1. 学位を博士及び大博士の2等とすること。
2. 博士の学位の種類を法学博士、医学博士、工学博士、文学博士、理学博士の5つとすること。
3. 博士の学位は、大学院での規定の試験に合格した者、または帝国大学評議会の議を経て学力がそれに相当する者に対して授与されること。
4. 大博士の学位は、文部大臣の判断のもとに、特に学問に貢献した者に授与されること。
5. 本令に基づく細則は文部大臣の定めによること。

1888年には、初の博士学位が25名に授与され、その後も学位令は日本の学位制度の中核として機能しました。

従来的な改正

その後、明治31年（1898年）には、勅令第344号が制定され、学位令の全面的な改正が行われました。この改正では、博士の種類が新たに薬学、農学、林学、獣医学を加え、合計9種類に拡大しました。さらに、大博士制度は廃止され、よりシンプルな学位制度が追求されました。

大正時代における改定

1920年、大正9年7月6日に勅令第200号として新たに制定された学位令は、10箇条から成り、さらなる明確化が図られました。この新たな令では、学位は博士のみとされ、授与に際しての手続きも詳細に定められました。それにより、学位を得るためには以下の条件を満たす必要がありました。

• - 大学の研究科において2年以上研究を行い、論文を提出すること。
• - 提出した論文が学部の教員会による審査を通過すること。
• - 学位を取得した者は、その論文を授与から6ヶ月以内に印刷・公表しなければならない。

さらに、学位授与の承認申請時には、論文とその審査の概要を提出することが求められました。また、学位を持つ者がその名誉を傷つける行為を行った場合、大学側は文部大臣の認可を得て、学位を取り消すことができるよう定められました。

結語

学位令は、日本の学位制度の初期の整備に寄与し、教育の質を確保するための基礎となるものでした。この法律は、時代の要請に応じて改正が行われ、学術活動の発展に重要な役割を果たしました。学位令は、今日の教育制度や学位授与の基準にも影響を与え続けているのです。そして、現代においても、学位制度の整備や学術評価を進める上での教訓と指針として参照されています。

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