学士（工学）

学士（工学）（Bachelor of Engineering）について

学士（工学）とは、工学分野における学士号の一つで、英語では「Bachelor of Engineering」と表記されます。この学位は主に大学の工学部や理工学部の学科で授与され、主に四年間の教育課程を修了した学生に与えられます。

歴史的背景

日本における工学分野の学士号の制度は、比較的古い歴史を持っており、初期には工部大学校の卒業生に特定の「工学士」という称号が授与されていました。1887年（明治20年）の帝国大学令が施行されることにより、学位が称号に変わる過程が始まりました。この法令により、工部大学校は東京大学工芸学部へと統合され、東京帝国大学工学部の基盤となる歴史を持っています。

その後も、日本の大学システムは徐々に拡大し、1920年（大正7年）の大学令発布によって、私立大学においても工学士号が授与されるようになりました。この時期に早稲田大学が理工科を理工学部に改名するなど、工学の専門教育がより整備されていきました。

学位の変遷

戦後の1947年（昭和22年）には、新たに学校教育法が施行され、これに伴い学士の称号が学校教育法に基づく正式な学位として認定されました。1956年には文部省が新たな大学設置基準を策定し、工学士は29種類の学士号の一つとして位置づけられました。

1991年には、この学校教育法および学位規則の改正により、学士号は再度正式な学位とされ、名称表記が変更されました。従来の「○学士」というスタイルから「学士（○○）」に変わり、工学士も「学士（工学）」へと改称されました。この名の下で、以前の制度で授与されていた工学士の称号も学位として扱われることが明確化されました。

学士（工学）を取得する方法

工学士号は引き続き、四年制大学での工学部などを卒業した場合に授与されるほか、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構においても、特定の条件を満たす者に対してこの学位が授与されます。たとえば、高等専門学校の専攻科を修了した者などが、所定の学修を修了した際に学士（工学）の学位を認定される可能性があります。

工学分野の広がり

学士（工学）が与えられる背景には、工学分野の学位制度の変革があり、この過程で使用される学位名はその後の変化に伴い、大学ごとに自由に決められるようになりました。その結果、工学関連の学士号の種類は拡充しており、「○○工学」と名付けられた新たな学位が誕生しています。

このように、学士（工学）は日本の高等教育における重要な位置を占めており、時代とともにその制度が進化しています。学生や社会に求められる技術者の育成に寄与することが期待されています。

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