学校心理士

学校心理士とは

学校心理士は、学校心理士認定運営機構によって認定される民間資格であり、その有資格者を指します。この資格は、日本教育心理学会などの学会連合によって運営されており、2002年度から正式に資格認定が行われています。この資格は、学校心理学の専門知識を基にした心理的支援を提供することを目的としており、教育現場での多様なニーズに応える心理職の育成を目指しています。

資格取得の条件

学校心理士になるためには、まず専門的実務経験が5年以上であることが求められます。その上で、資格審査を受験し、合格することで認定されます。また、5年ごとに資格の更新が必要です。この資格を取得するには、大学院課程を修了することが一つの要件とされており、いわば高い専門性が求められるのが特徴です。

以前は学校心理士補という資格も存在していましたが、2017年にその申請は廃止されました。この補資格を取得していた者は、資格の有効期間内に学校心理士への資格昇格を申請する必要がありました。

歴史的背景

学校心理士の資格制度は1990年からの活動に由来しています。当初は学校心理学に関する科目を履修した者に対し、教育職員専修免許状の付記を促す運動が始まりました。1991年には大阪教育大学において学校心理学プログラムがスタートし、翌1993年には大阪府で専修免許状に「学校心理学」と付記された例が出始めます。確立されたのは1997年度からで、以降、全国で多くの学校心理士が認定されるようになりました。

活動の場と役割

学校心理士の主な活動領域は、教育機関での心理的支援です。具体的には、文部科学省のスクールカウンセラー活用事業において、学校心理士有資格者が「準スクールカウンセラー」として任用されることがあります。この役割は、学校内での心理的な問題に対処するために重要です。

なお、スクールカウンセラーの資格要件には、精神科医や臨床心理士、大学教員が含まれていますが、専門職が不足している地域では、学校心理士もその役割を果たすことができます。

名称に関する誤解

学校心理士という名称は、時として誤解を招くことがあります。「学校」を「スクール」と英訳し、「心理士」を「カウンセラー」と結びつけ、「学校心理士」を「スクールカウンセラー」と誤解するケースが存在します。しかし、実際には学校心理士は文部科学省の規定における「準スクールカウンセラー」の位置付けであり、異なる資格であることに留意が必要です。

さいごに

現在、日本には約4,000名の学校心理士が存在し、心理教育やカウンセリングの現場で活躍しています。彼らは教育現場において重要な役割を果たし、子どもたちや教育機関に貴重な支援を提供しています。

もう一度検索