孫楊

孫楊（Sun Yang）

孫楊（そん よう）は、中国・浙江省杭州市出身の優れた競泳選手で、主に中長距離の自由形を専門としています。身長198cmの彼は、その体躯から驚異的な泳ぎを見せることができます。

経歴

孫は、バスケットボール選手の父とバレーボール選手の母のもとに生まれ、スポーツの環境に育ちました。彼は2008年の北京オリンピックの1500m自由形で8位となりますが、後のキャリアで多くの栄光を手にすることになります。

2010年、アジア競技大会では1500mで世界記録まで僅か0.87秒差のタイムで金メダルを獲得。次の年の2011年には、上海で開催された世界水泳選手権で、10年の時を経て破られなかった世界記録を更新し、14分34秒14のタイムで再び金メダルを得ました。

ロンドンオリンピック2012でも彼は輝きを放ちました。400m自由形では、300mを過ぎた際に韓国の朴泰桓にリードされながらも逆転し、3分40秒14でオリンピック新記録を達成。1500mでは、自身の世界記録を約3秒短縮する14分31秒02で金メダルを手にしました。

その後、2013年のバルセロナ世界水泳選手権では、400m、800m、1500m自由形での金メダルを獲得し、4×200mリレーでは銅メダルを得るなど、彼の活躍は続きます。

発言問題

しかし、彼のキャリアは順風満帆ではありませんでした。2014年の仁川アジア大会での金メダルを獲得後、孫は「日本の国歌は本当に耳障り」と発言し、大きな反響を呼びました。その後、発言について謝罪をしたものの、影響は免れませんでした。

ドーピング問題

さらに、彼はドーピング問題にも直面します。2014年11月に発覚した興奮剤「トリメタジジン」の陽性反応により3か月の出場停止が科されたのです。この処分後、彼はオーストラリアでの練習を禁止され、そこにいたコーチとも関係が解消されるなど、厳しい状況に置かれました。

また、2018年にはドーピング検査を妨害する行為が報じられ、最終的に8年間の資格停止が科されました。彼側は反論しましたが、国際水泳連盟はこの妨害行為を認め、最終的には裁判所により4年以上の資格停止が確定しました。これにより、2020年東京オリンピックへの出場が不可能となりました。

自己ベスト

注目される成績を誇る孫楊ですが、彼のキャリアには多くの波乱があったことも事実です。数々の名誉と同時に、倫理的な問題を抱えた選手として彼は記憶されることでしょう。

脚注および関連項目

競泳の世界記録一覧
2008年北京オリンピックの中国選手団

外部リンク

孫楊 - 世界水泳連盟のプロフィール（英語）
孫楊 - Olympedia（英語）
孫楊 - Swimrankings.net
孫楊的微博 - 微博公式アカウント

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