孫福弘

孫福 弘: 大学経営の先駆者

孫福 弘（まごふく ひろむ、1940年 - 2004年6月17日）は、日本の大学経営において重要な役割を果たした研究者であり、教育者です。彼は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの初代事務長、そして総合政策学部の教授として、大学運営に深く関わりました。さらに、マスダ教育財団の理事長をも務め、多方面でその手腕を発揮しました。

経歴と業績

孫福は1962年に慶應義塾大学文学部を卒業後、同機関に職員として採用されました。彼は秘書課長や国際センター事務長として経験を重ねる中で、1980年から1981年にかけてはフルブライト上級研究員としてアメリカのミシガン州立大学で研究に励みました。この国際的な視野は、彼の後の活動に大いに影響を与えました。

彼の業績は多岐にわたり、その中でも特に1988年には教育行政における貢献が認められ、慶應義塾賞を受賞しました。1990年には湘南藤沢キャンパスが開設される際に初代事務長としてその運営を担い、大学管理にも多大な影響を与えました。また、1997年から1999年までの間、大学行政管理学会の初代会長も務めるなど、彼のリーダーシップは広く評価されています。

その後、孫福は塾監局人事部長や業務改革推進室長などを歴任し、最終的には教員となり、2001年に総合政策学部の教授に就任しました。また、桜美林大学大学院での客員教授としても教育の分野に寄与しました。彼の経歴は、株式会社慶應学術事業会の取締役職も含まれ、多岐にわたる役割をこなしました。

横浜市立大学での取り組み

2003年4月からは横浜市立大学改革推進本部の最高経営責任者（CEO）となり、翌年度には設立される公立大学法人横浜市立大学の初代理事長になる予定でした。彼はこのポジションにおいて、教育研究組織と経営組織の明確な分離や、教員の任期制および年俸制の導入など、大学運営に関する多岐にわたる改革を推進していました。

死去と遺産

しかし、運命は彼に残酷でした。急性心不全および急性心筋梗塞により、彼は突然、この世を去りました。彼の死は多くの人々に衝撃を与え、その革新的なアイデアやリーダーシップを惜しむ声が寄せられました。

2006年には、大学行政管理学会が孫福の業績を称えるため「孫福賞」を設立し、優れた研究や実践の業績に贈ることとなりました。これは、彼の影響と業績を未来へと引き継ぐ大切な証となっています。孫福弘の生涯は、大学の経営や教育現場に多大な影響を与え続けているのです。

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